確定申告のリテラシーを高める方法とは?
習得や学習のとっかかりには
スカッとした見通しが欲しいですね。
申告リテラシー ビミョーな間?
毎年変わる税制度とは別にして、変わらない光景もあります。
たとえば、確定申告の処理の確認風景。
私「処理が終了しました。申告書をご確認ください」
お客様「うーん…。この税額ですね?」
気になるのは、「…」でのビミョーな間です。
字面だけをみると、確認しているように思えますが、
応対している私からみるとお客様の目が泳いでいます(笑)。
申告書は日本語で書かれていますし、分量も多くありません。
新聞のスーパーの折り込み広告のほうがずっと情報量が多いはずです。
申告リテラシー 何を・どのように確認するか?
「リテラシー(Literacy)」は一般的には読み書き能力を意味します。
もうちょっとことばの幅を広げると、
- 知識を活用して判断できる能力
ともいえます。
確定申告でのリテラシーでは、
- 申告した内容と申告書間での
- 税額とのつながり
を読みとることといえます。
見方を変えると、
- 確定申告の手続きの流れ
- 申告に利用したデータ
の内容を理解していることがリテラシーの前提です。
具体的には、フリーランス・個人事業主であれば、
- 所得分類は事業所得
- 申告のためには決算処理が前提
- 決算後に申告書作成
- 経費と所得控除の違い
- 所得税率は超過累進制度
といった確定申告一連の流れを理解して、
その上で各種の控除の内容をとらえます。
個別具体的な知識や疑問よりも全体像の理解と
現物の確認がおすすめです。
現物?
上記の例では、決算書と申告書です。
あっさりいってしまえば以下の通りです。
- 決算書:事業の業績の書類
- 申告書:所得税の書類
青色決算書では、
- 損益計算書から始まり
- 月別の売上と仕入etc
- 減価償却費(固定資産など)
- 貸借対象表
と続きます。
申告書では第一表の左上から、
- 収入
- 所得
- 所得控除
- 税額計算
- その他
と続きます。
確定申告の確認では、事業所得の場合、
- 会計→申告書
- 会計:損益計算書→その他
- 申告:収入→所得→控除
と全体→詳細に向かって確認します。
申告リテラシー 今年に活かす!
確定申告の確認の流れがわかっていても
なんとなくピンとこない可能性もあります。
ピンとこない原因は知識や理解の不足よりも
比較をしていないからです。
では、何と比較するかといえば、
- 前年度以前の決算書や申告書
- 当初の想定
といったデータです。
決算書や申告書を確認したときの違和感は
上記のデータが無いとピンボケします。
確定申告は1年間の所得状況を対象にしていますが、
確認で参照するデータは過去に遡(さかのぼ)ります。
確定申告でのリテラシーを高めると、
- 申告年分の確認だけでなく、
- 今年以降の節税や資産形成にも
貢献していくことにつながります。
確定申告を税金の手続きだけで終わらせてしまうのは
物足りません。
確定申告のリテラシーを高めると、もうちょっと欲張れます(笑)。
蛇足
給与収入メインで年末調整で完結の方には、国税庁の
「確定申告書等作成コーナー」の利用をおすすめします。
源泉徴収票をもとに入力して申告書を作成すると、
源泉徴収票より全体像がわかりやすくなります。
過年度分と比較することもおすすめです。
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