税理士は指導者か、共同サポーターか?
共同意思決定(SDM)をご存知ですか?
知識やアプローチの更新が必要ですと言っていますが、
自分自身で更新が遅れていたことに気づきました(笑)。
専門家とのつきあい方をどう見直すか?という視点にも
移り変わりがあります。
共同意思決定 違和感のある指導
税理士で独立開業していると自営業者ではありますが、
税理士会の会合への出席の機会もあります。
同業の税理士だけでなく、税務署・国税局との接点もあります。
税制の変更やとトラブル事例での情報共有の機会になります。
そうした会合では「指導」ということばがよく使われます。
当局が税理士から納税者に対して期待する「指導」もあれば、
税理士が業務として行う「指導」という使われ方もあります。
税務行政上、当局にとって指導は効率化の一環と割り切れます。
他方、税理士→納税者(お客様・関与先)への指導には違和感があります。
共同意思決定 インフォームドコンセントの先!?
「インフォームドコンセント(Informed Consent)」という考え方があります。
- 「医療者が患者に十分な説明をして、患者が最終的に同意する」プロセス
医療者の判断で一方的に治療を進めていくのではなく、
患者の同意を確認することが強調されます。
私が学生時代を過ごした20世紀末から21世紀初頭の頃、
インフォームドコンセントには新鮮味がありました。
インフォームドコンセントと「指導」では隔たりがあります。
他方、インフォームドコンセントとはいっても、
- 専門家(医療者・税理士) → 当事者(患者・納税者)
といった方向性となります。
これに対して「共同意思決定(Shared Decision Making)」では、
- 「医療者と患者が一緒に考え、話し合って、治療方針を共同で決める」プロセス
- 専門家 ⇔ 当事者
といった共同での双方向性示されています。
インフォームドコンセントも共同意思決定も当事者の意思の尊重は共通です。
共同意思決定では、さらに双方向での対応の決定が強調されています。
共同意思決定 対話も情報発信も!
医療者であれ税理士であれ、当事者である患者や納税者とは
知識や経験での格差があります。
当事者の意思を尊重しようといっても「お任せで」になりがちです。
一方、税理士とお客様とのトラブルでは「お任せで」での
曖昧さや確認の不徹底が原因になることがあります。
税理士側での研鑽や注意が必要です。
同時に、税理士とお客様とのやりとりを一方通行にしない、
「共同」が大切なアプローチとなります。
普段の対話も情報の発信も「共同」につながっています。
「指導」だけではない共同につながる税理士のサポートに
魅力があるはずです。
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蛇足
アイキャッチ画像は「カタバミ(片喰)」です。
「酢漿草」とも表記して「酸っぱい汁の草」を意味しています。
野草と言えば野草ですが、食べた方がいたわけですね(笑)。
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