簿記がないと利益もお金もなくなる!?
2月10日は簿記の日!

ITやAIの発展とともに簿記を考えずにすむのでは!?
というのは淡い期待です(笑)。

表に出ようがでまいが、簿記の持っている仕組みは
しっかり残ります。

バランスが大切

簿記の日 簿記が無くなったら?

「簿記(ぼき)」は身近に利用されている仕組みですが、
とっつきにくい対象として知られています。

書店の資格テキストのコーナーでも資格スクールの講座でも
簿記の二文字は目にします。

個人事業から大規模法人の経営をカバーする仕組みなので
重要性や必要性は感じられます。

他方、直感的に理解できる仕組みではありません。

「仕訳(しわけ)」や「借方(かりかた)」・「貸方(かしかた)」など
独特の表記で構成されています。

損益計算書はともかく、貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)は
何のためにあるのかピンとこないかもしれません。

資格の取得など正面切ってガッツリ学ぶ選択もありますが、
「教養」からのアプローチもあります。
 (「大人の教養簿記 ひみつきち発信」で検索)

あるいは、いっそのこと簿記が無くなったらどうなるか?
といった発想もあります。

簿記の日 利益もお金もなくなる!?

簿記が無くなったら…、税理士が失業するだけではすみません(笑)。

利益もお金もなくなります。

利益の計算は本来シンプルなはずです。

  • 売上-経費=利益

模擬店であれば上記の計算と記録だけでサクッと処理できます。

他方、事業を継続することが前提になり、大規模設備の投資が加わると、
利益の計算がカチッと定まりません。

プロジェクトごと、販売ごとに個別に利益を計算できても
第三者からは不透明な計算です。

事業経営の利益に課税したい政府にとっても残念ですが、
融資や出資する側にとっても困ったことになります。

1年間といった一定期間の損益計算の仕組みを達成しつつ、
事業の継続性とつながる仕組みが必要です。

たとえば、固定資産と減価償却。

購入した時点で全額一挙に経費にはせず、耐用年数にわたって
減価償却費として計上していきます。

  • 購入 (借方)固定資産プラス資産 (貸方)お金
  • 決算 (借方)減価償却費プラス費用 (貸方)固定資産マイナス資産

経費としての減価償却費を1年間の損益計算書に記載して、
資産としての固定資産は決算日時点の貸借対照表に記載します。

固定資産の価格と耐用年数で機械的に経費を計算する定番の処理ですが、
適正な損益計算と事業の継続を同時に達成する処理とも言えます。

定番の会計処理ですが、複式簿記の成果がみられる例です。

簿記の日 ITやAIの存在感が増すからこそ!

会計処理でもITやAIの出番は増えています。

会計ソフトもクラウド化や、AIによるOCR機能が付加されたりと
性能や機能が充実していっています。

他方、複式簿記が単式簿記になったり三式簿記にはなっていません。

学術的・将来的にはともかく、複式簿記は今後も重要な仕組みです

直感的なわかりにくさとITによる効率性の向上が併存する
という状況が今後も続きます。

簿記を敬遠しても問題は解消しません。

税理士のサポートも選択に入れて簿記と折り合っていくことが
前向きな選択肢になります。

 

蛇足
全国経理教育協会が2004(平成16)年に毎年2月10日を簿記の日
として制定しました。
福沢諭吉が「帳合之法」を1873(明治6)年2月10日を出版して
簿記を紹介したことに由来しています。
2月は確定申告開始や23日が税理士記念日があったりと、
税理士に関連した日付が目立ちます。

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