電子帳簿保存改正を棚上げする裏ワザ?

裏ワザが広まらないのは合理的な理由がある
という皮肉。

電子帳簿保存 2022年1月スタート

税金の仕組みは毎年変更されています。

いわゆる税制改正です。
(どんな変更でも「改正」です(笑))

2021年(令和3年)では直近の大幅な改正はみられなかった
印象があります。

2023年(令和5年)10月からの消費税インボイス制度は
事業者登録など今後も対応が続きます。

税金とは間接的に関わる改正では「電子帳簿保存法」の改正
があります。

こちらは2022年(令和4年)1月から対応が必要です。

電子帳簿保存 スルーの裏ワザ!?

電子帳簿保存法改正については以前とりあげました。
(電子帳簿保存法の検索をQUERY関数でやってみる!)

請求書や領収証をデータで受け取った場合には、
データのままで保存することになります。

上記の改正点だけをみれば、とくに問題はなさそうです。

しかし、足を引っ張ると思われる問題は、

  • データをディスプレイで確認できるようにしておく
  • データを訂正や削除をしていない規定を作っておく
  • データの日付、金額、取引先を検索できること

といった要件もあることです。

規程を作成することについては、国税庁がサンプルを示しています。
(「国税庁 電子帳簿保存法 サンプル」で検索)

そつのない対応です(笑)。

せっかくですので利用しましょう。

それでも厄介と思われるのは、データの検索ができるようにしておくこと
という規定です。

データの検索を可能にする仕組みは、表計算ソフトでクリアできます。

しかし、手間がかかる印象は否めません。

巷間、そうした電子帳簿保存法改正をスルーできる裏ワザがある
という説があります。

請求書や領収書をデータではなく、あえて紙でやりとりする
という手法です(笑)。
(上記の紙資料の送付も電話で要求するというオチもつきます)

「上に政策あれば、下に対策あり」という皮肉な見本です。

電子帳簿保存 逆行よりも並行

電子帳簿保存法改正への対応をスルーという点だけをみると
上記の裏ワザは合理的です。

しかし、裏ワザにはメジャー化しない・しそうにない理由があります。

電子帳簿保存法改正という税務当局からの視点だけでは、
残念な裏ワザにはまります。

ちょっと視野を広げると、電子帳簿保存法改正が目指す内容と
経営の効率化はつながります。

請求書や領収書のデータをデータのままで保存することは、
ペーパーレス化と重なります。

裏ワザの採用は、スジの良い経営の効率化のペーパーレス化を
逆行させることになります。

当面、請求書や領収書のデータを受けとった場合には、

  • データの保存
  • データの訂正や削除を防止する規定を準備
  • 検索要件をクリアする

ということと並行して、

  • 電子帳簿保存法の再改正
  • 電子帳簿保存法対応のサービスへ注視
  • ペーパーレス化

にも留意していくことになりそうです。

 

蛇足
2011年8月に地上デジタル放送に移行されました。
アナログテレビを利用可能にするチューナーが
一時期飛ぶように売れていました。
デジアナ変換のチューナー利用はデジタル放送移行期での
徒花的な裏ワザだったんでしょうね。
(当時「デジサポ石川」でチューナー取り付けてました)

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