仕事の効率化はツールの導入・更新だけか?
50年前の水準に達していない現状!?
「変化が速すぎて追いつけない」と言っておくととりあえず安心、
といったことがよくあります(笑)。
比較対象が半世紀前でもそう言えるかどうか?、
興味があります。
50年前の水準 追いつけない現状
2023年(令和5年)11月下旬ともなると、1年の9割以上が過ぎています。
どんな年だったっけ?と振り返る機会もぼちぼち出てきます。
- AIアプリの爆発的な進展
- コロナウイルスの5類移行
- 消費税インボイス制度の開始 etc
ちょっと振り返るだけでも仕事の環境が変化しています。
インボイス制度の開始は年明け移行の確定申告期に
導入以降の第2の山場を迎えるかもしれません。
AIにせよ、コロナ対応・インボイス対応にせよ、
振り返ってみると短期間での激しい変化に思えます。
漫然としていると、変化に対応できない不安を感じます。
一方で、そうした変化はツールの導入や更新だけで対応できるか?
といった疑問があります。
50年前の水準 脱手書き・音声入力の大正生まれ!
仕事を進める上で私は、
- パソコンが使えますか?
- キーボード入力ができますか?
- メールを利用されていますか?
といった点を確認します。
業務上のやりとりを効率よく行う上で無視できないからです。
やや年配の方では、「年なので…(できない)」ということもあります。
そんなもんかもなーと思ってしまいがちですが、反例があります。
たとえば、「わたしの知的生産の技術」
(「知的生産の技術」研究会編 1978年 講談社)
出版当時の著名な知識人による「知的生産」が収録されています。
執筆者の一人である竹内均(物理学者、東大教授、1920-2004)が
「私とテープレコーダー」という題で寄稿しています。
私はここ10年来、原稿を手で書いたことがない。
全部テープレコーダーに吹き込み、それを秘書に文字化させる方法をとっている。
能率は手で書くスピードの五倍から十倍にもなる。
存命であれば100歳以上の方の昭和40年代の業務効率化です。
吹き込みのコツも開発されていました。
(以下は林による要約)
- レコーダーのストップを頻繁に操作する
- 「コンマ」・「ピリオド」・「改行」も口に出す
- 文章を短くする
- 一文章につき一主語を原則とする
- 数式は別途メモを用意する
生涯で450冊以上の著作があった効率化の舞台裏です。
現在であればパソコンとアプリを利用しての音声入力
ということで実現できます。
とはいえ、半世紀を経ても古びていない効率化の一例です。
50年前の水準 これからどうするか!?
竹内均の音声入力による執筆ではパソコンもアプリも登場していません。
秘書の文字起こしといったコストの大きな負担がみられます。
現在、パソコンやアプリは低コストで導入・利用できます。
事務・経理処理でのITによる効率化は竹内の時代よりグッと身近です。
一方、デジタルでの業務効率化に出遅れがちだった場合、
先行者との差が開きすぎている現状があります。
効率化の格差を縮めるどころか、かえって拡大が続きます。
経理処理であれば、税理士のサポートは改善策の一つです。
ツールの導入や利用も大切ですが、効率化につなげるサポートが有効です。
年齢やこれまでの経験ではなく、今後どのように業務を行うか?
という問いへの反応が次につながります。
蛇足
「わたしの知的生産の技術」は古本で購入しました。
過去の所有者の書き込みやページの折りを眺めると、
関心事の異同が人それぞれとわかります。
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