経営者保証には説明義務・制限の方向で!
金融庁から金融機関への監督指針改正(案)

「歴史的な転換点」という表現があります。

「知る人ぞ知る」と同じで「見える人には見える」点
といった限界があります。

見える化のためにことばを補ってみます。

保証を制限 大きな変化をタイムリーにみる

ルーティンワークや定例業務・定型業務はあるものの、
同じ一日はありません。

身近に変化を感じる対象はでは、

  • テレビ・新聞などの大手メディア
  • TwitterなどのSNS

といった各種のメディアがあります。

それとは別に、必ずしも一般的・身近ではないけど、
大きな変化を予感させるメディアもあります。

その一つが、「パブリックコメント」。

政府機関が今後採用していく改正などが示されます。

2022年(令和4年)10月は所得税と副業との関わりをめぐって
国税庁の通達改正案が注目されました。

パブリックコメントは当事者以外からの注目や認知は乏しいのですが、
制度の大きな転換に関わる可能性があります。

2022年11月には、金融庁より金融機関への監督指針の改正案が提示されました。

  • 「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」等の一部改正(案)の公表について」

タイトルだけをみると、スルーしたくなります(笑)。

内容を確認してみると、経営者なら無視できない改正が示されています。

保証を制限 監督指針改正案

監督指針は金融庁から銀行などの金融機関に向けて示される
考え方をまとめた内容です。

パブリックコメントでは改正案(新)と現行(旧)を対比しています。

まず、契約時点等における説明。

保証人に対する確認を文書化する改正が示されています。

保証契約に関する指摘事項も「個別具体の内容」を示すことが明記されています。

監督指針の改正案では経営者保証を前提としない仕組みを目指していることが
下記の「削除」からみてとれます。

これまでの「経営者保証に関するガイドライン」との整合性にも言及があります。

言及されているガイドラインは以下の通りです。

改正案では、上記以降も変更点が示されています。

改正案で各改正の共通点では、

  • 文書化
  • 個別具体
  • 客観的合理的理由

という点があげられます。

言い換えると、改正案では、

  • 経営者保証に制限をかけている

といった仕組みを金融機関に示しているといえます。

パブリックコメントのタイトルだけをみてスルーしてしまうと、
大事な転換点を見逃します(笑)。

保証を制限 説得力が必要

パブリックコメントの改正案は経営者保証を制限する
という方向性です。

経営者保証に対しても、

  • 文書化
  • 個別具体的
  • 定量的
  • 客観的な理由

を金融機関が示していくこととされます。

一見すると、改正案は経営者に有利といえます。

とはいえ、改正案が一方的に経営者に追い風とはいえません。

金融機関が保証契約を必要とする根拠を明示する可能性も
改正案に内在しています。

改正案は経営者保証に制限をかける転換点になる可能性もあります。

一方で、経営者の動向によっては従来のガイドラインの枠組みに留まる
といった可能性もあります。

経営者が改正案を味方につけるためには、

  • 適正で
  • タイムリーな

会計処理がより説得力をもつことになります。

 

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蛇足
「パブリックコメント」のタイトルを眺めていると、
変化に気づかないことに妙に納得してしまいます。

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