専門用語や法律をあえて出す場面とは?
フラグを立てる税理士のコミュニケーション

「脚本」・「構成」・「演出」も仕事の内です。

「あえて」使うがキモです。

新緑のソメイヨシノ

あえて使う 使い分けの余地を残す

税理士に限らず士業などの専門家はとっつきにくい
といった印象が一般的です。

  • 男性
  • 中高年
  • スーツにネクタイ、バッジ etc.

見た目だけでなく、普段は馴染みがない内容を
専門用語などで表現することもマイナスです。

たとえば、税理士。

専門分野が会計と税法にまたがっているため、
専門用語や独特の言い回しがついて回ります。

一方で、応対するお客様が非専門家ということは
仕事をしていれば直面し続けるので頭を離れません。

そんなわけで、私の場合、

  • 原則として専門用語や独特の言い回しは言い換える
  • 減価償却など頻繁に扱う用語は説明を重ねる
  • 「あえて使う」場面を残しておく

といった使い分けをしています。

あえて使う (-)×(-)=(+)

コミュニケーションの手段として、対面であれば、

  • 態度や振る舞い
  • 服装
  • 表情

と演出や効果を動員できる要素があります。

これに対して、資料や文章といったコミュニケーションでは、

  • フォント
  • 文字の大きさ
  • 色使い
  • 下線や太字
  • 記号
  • 図解

といった要素で注意を引きつけることになります。

どちらの場合でも、専門用語や業界独特の言い回しが加えられます。

専門用語や業界独特の言い回しの印象は、

  • とっつきにくい
  • 一見わかりにくい

とマイナスの印象が目立ちます。

多様すると、何を言っているのかわかりません。

反面、マイナスの印象の表現を「あえて使う」場合、

  • 誤解の回避
  • 検討の漏れへの注意喚起

といったフラグを立てる効果があります。

放置しておくとマイナスの結果につながりそうな場合、
強い注意喚起が必要です。

たとえば、相続税の申告期限。

ザックリした表現であれば、

  • ご葬儀から10か月以内

で済むかもしれません。

一方で、「争族」問題が懸念される場合には、

  • その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から十月以内

といった無機質な表現が時間の制約を際立たせます。

マイナスの印象のある専門用語と切迫した状況には、
強い注意喚起が必要となります。

  • 専門用語(-)×切迫した状況(-)=強い注意喚起(+)

あえて使う フラグを立てる役割

税理士の独占業務は下記の3つです。

  • 税務相談
  • 税務書類の作成
  • 税務代理

もっとシンプルに言い換えれば、

  • お客様の税金でのトラブルを回避する

ということもできます。

ただし、指示や命令をするというわけではありません。

判断の結果が有効で建設的な結果につながるフラグを立てる
という役割があります。

専門用語やまわりくどい言い回しを多用することは、
コミュニケーションの障害になります。

その一方で、「あえて」そうした表現をとる場合には、
強い注意喚起を促しています。

とっつきにくい専門用語や言い回しが「あえて」使われた場合、

  • 今後の局面に影響するフラグが立った

と想定すると、コミュニケーションにメリハリがつきます。

 

蛇足
「やさしい日本語」の運用と専門用語などの併用は
矛盾しません。
ただし、簡単ではありません(笑)。
 (やさしい日本語で 大切なことを 話す。)

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