インボイス対応だけが経営の関心事か?
Withインボイスの経営判断へ!
注目や関心が集まっていることは無視できません。
ただし、それだけを見続けるということもできないはずです。
インボイスだけ? 2023年秋の目玉!?
2023年(令和5年)経済や経営に関する関心事では、
- 物価の上昇
- 賃金の上昇
- 消費税インボイス制度の開始
といったことが挙げられます。
物価や賃金の上昇とは異なり、インボイス制度は人為的な問題です。
これまで消費税を納税していた課税事業者にとっては、
- 納税額=(受け取った消費税)-(支払った消費税)
ということもあり、「支払った消費税」の取引先となる
- 仕入先・支払い相手
- 外注先
がインボイス対応をすることにやきもきすることになります。
一方、免税事業者にとっては、
- インボイス対応=課税事業者化=消費税の納税
と負担の増加で頭を悩ませることになります。
単純な図式化でインボイス制度の開始をとらえると、
課税事業者と免税事業者の膠着状態が続きそうにみえます。
インボイスだけ? 時限的な緩和措置で現実対応
前述したインボイス制度の開始による事業者間の膠着状態は
課税当局も想定済みです。
インボイス制度開始にともなう負担の緩和措置が
既に用意されています。
課税事業者にとっては、免税事業者との取引でも、
- 2023年(令和5年)10月~2026年(令和8年)10月 80%控除
- 2026年(令和8年)10月~2029年(令和11年)10月 50%控除
と「支払った消費税」の変動を抑える措置が用意されています。
また、免税事業者には、
- 「2割特例」
といった納税額の軽減負担が選択できます。
上記の時限的な措置を利用することでインボイス制度による
極端な負担の増加を抑えられそうです。
インボイス開始による負担の増加は皆無とはなりません。
反面、インボイス制度だけを事業を継続する支障とは言えません。
インボイスだけ? Withインボイス時代の経営へ
2023年10月からのインボイス制度は一過性の対応では済みません。
緩和措置が時限的という問題だけでもありません。
インボイス制度の開始は消費税の納税を強化していきます。
消費税の納税額は「受け取る消費税」と「支払う消費税」から
成り立っています。
取引や取引相手との関連で構成されている税制ともいえます。
インボイス制度への賛否とは別に、事業継続の取引が不可欠です。
「長いものには巻かれろ」はネガティブな印象の俚諺ですが、
- インボイス制度を前提とした取引や価格設定
- 納税負担を織り込んだ資金繰り
- 効率的な経理処理
といった具体的な対応に舵を切るきっかけにもなります。
インボイス制度開始後の対策に焦点を当てていく「Withインボイス」も
2023年の経営の関心事になります。
蛇足
アイキャッチ画像は散歩中に見かけたセミです。
私が炎天下でエアコンという長いものには巻かれる一方で、
外でしっかり大音量を発声し続けています。
毎年の夏と一度しかない夏の過ごし方の違いがありますね。
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