遺産分割のベンチマークとしての法定相続
言いにくいことを言いやすくする!

「口火を切る」という表現があります。

話始めるきっかけの重要さを強調しているようです。

SCENIC ECLIPSE(シ―ニック・エクリプス 金沢港)

法定相続 最初に発言する心理的な負担

会議やセミナーでの定番の流れとして、

  • ご質問やご意見ありませんか?

という司会進行役の発言の後にビミョーな沈黙があります(笑)。

左右をチラホラ見たり、質問しようかと手に汗握ります。

いたずらに波風を立てたり、不躾な態度をとるわけではなくとも
最初に発言する心理的な負担はあります。

質問したり、意見を述べて反応を確かめたい気持ちとともに、

  • 誰でもいいから発言してくれないかな?

と無責任な期待をしてしまいます(笑)。

「誰か」の発言の後であれば、心理的な負担はグッと小さくなります。

相続開始後の遺産分割でも同じことがいえます。

法定相続 ベンチマークの役割

相続が開始された後、相続人や遺言書、相続財産の確認と
遺産分割に向けて進める課題があります。

相続人が1人であれば、悩み事は税金の負担だけになります。

一方、相続人が複数であれば、必然的に財産を分割することになります。

相続開始から相続税の申告・納税まで10か月あるとはいえ、
一人称で相続財産の分割を示すことは気が重いかもしれません。

相続人のうちの「誰か」の発言を待つこともできますが、
中立的なベンチマークをとっかかりにすることもできます。

「法定相続」は話のたたき台として利用できます。

法定相続は相続税法ではなく、「民法」が根拠です。

感情や雰囲気で割り切れない状況を無機的に割り切る
突き放した印象があります。

反面、機械的な法律での遺産分割が示されることで、
「誰か」の発言を待たずに済みます。

また、遺産分割は相続人間での協議により決まります。

法定相続を分割のベンチマークとしてとらえることで、
協議の土台にもなります。

法定相続 見える化と言える化

法定相続は遺産分割の必達の基準ではありません。

とはいえ、相続人間での発言の心理的な負担を下げる
「言える化」として扱うことができます。

ただし、「言える化」には前提があります。

相続財産の全体が「見える化」されていることです。

親などの親族とはいっても、財産の全体を見通している
と言い切れる方は多くないはずです。

法定相続による遺産分割への「言える化」を確保するために、
相続財産の把握「見える化」が必要となります。

相続人間の遺産分割から申告・納税へのベクトルを合わせる
選択が優先となります。

 

蛇足
金沢市の観光といえば北陸新幹線が連想されます。
金沢駅の東口から市内観光に向かうことになります。
金沢駅の西口からはストレートに金沢港にたどりつけます。
金沢へのアクセスのイメージも変わってくるかもしれません。

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