赤字がみえるなら来年の計画に盛り込む  損失を繰越控除で利用

マイナスの大人の使い方です。


回復の黒にんにく

損失を繰越で使う  悪い情報ほど早めに知りたい理由

情報の価値は早さと正確さで決まります。

とりわけ悪い情報は早く知りたいものです。

状況の悪化を防ぐこともできますし、対処もしたいからです。

2020年(令和2年)はコロナ禍で散々な上に、今後の見通しも不透明な状況です。

2019年までのインバウンドの上げ潮ムードは一変しました。

残念ながら、今年の業績は赤字という方も多いと思います。

赤字、損失、マイナスは気が重くなる経営状況です。

とはいえ、このまま残念に放置しないためにも、知っておくべきことややることがあります。

損失を繰越で使う マイナスの大人の使い方

青色申告には、白色申告には無い特典があります。

赤字になったときの特典として、損失の繰越控除があります。

損失を繰り越す、文言だけをみると不吉です(笑)。

損失の繰越控除とは、発生した赤字を翌年以降の所得で相殺できる仕組みです。
損失の繰越は3年間に渡ります。

今年赤字ならば、税金は発生しません。
さらに、翌年以降に黒字になっても繰り越せる損失があるなら税金の負担は減ります。

赤字という損失、マイナスを前向きに使うとも言えます。

なんだか、ちょっとだけ希望の持てる話です。

損失繰越とは逆に、繰戻還付という制度もあります。

赤字の前の年が黒字の場合に、前年に支払った所得税が還付されるという制度です。

損失の繰越と似ていますが、利用には注意が必要です。

還付の対象はあくまで国税である所得税です。
所得税が影響するとはいえ住民税(地方税)や国民健康保険料(社会保険料)の還付には繋がりません。
また、繰戻還付の利用では税務調査の可能性も高まります。

損失の繰越控除に比べると、繰戻還付はパッとしません。

損失を繰越で使う 黒字化の計画もセットで来年へ

損失の繰越控除制度は、今年の赤字を残念なままに終わらせないための仕組みです。

見方を変えると、この制度の利用は翌年以降の黒字化が課題になります。

今年の経営状況を確認するとともに、翌年以降の事業計画も検討の対象になります。

どれぐらいの損失が出るのか、
翌年以降どうやったら黒字が達成できるのか?

確定申告の「受付」は来年2月16日以降ですが、対策は年内から前倒しがおすすめです。

税金対策だけではなく、必要なお金の確保も見直した方が良さそうです。 

 

蛇足
「損失の繰越」は、元気のでない文言です(笑)。
少年マンガの必殺技のような活きの良いフレーズを見習ってほしいものです。

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