相続開始後はタイムスケジュールにご注意!
準確定申告4か月は余裕か?

フリーランス・個人事業主とそのご家族にとっては、
記憶にとどめておいていただきたいテーマです。

相続スケジュール 2つの期限

知らないことやこれまで行ったことがないことでも、
慣れればなんとかやっていけることがあります。

例外は相続に関わる手続き。

相続は頻繁に直面する事態ではありません。

また、相続する状況を作り出せるものでもありません。

税理士目線では、相続開始後、

  • 所得税の準確定申告-4か月以内
  • 相続税の申告-10か月以内

といった期限に留意していただきたい思いがあります。

相続開始後の相続税やその申告期限については
ピンときやすいかもしれません。

それに比べると、所得税の準確定申告はピンとこない
印象があるかもしれません。

相続スケジュール 自営業の宿題

亡くなった方(被相続人)といっても、

  • 1月1日~亡くなるまで

は所得が生じる可能性があります。

言い換えると、確定申告の対象者となります。

通常の確定申告とは異なる、

  • 「準確定申告」

という手続きを相続人が行うことになります。

通常の確定申告は、

  • 翌年2月16日~3月15日

といった受付期間でもって申告手続きをします。

準確定申告は、

  • 相続開始~4か月

という期限で通常の確定申告と異なります。
 (正確には、「相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内」)

通常の確定申告と準確定申告の期限を比べると、
準確定申告は期限に余裕があると誤解しそうです。

相続開始後は、各種の手続きを行うことになります。

準確定申告や相続税の申告はその一環でしかない
ともいえます。

生前からの相続対策が充分な場合を別にすると、
慣れない手続きに時間を要します。

また、亡くなった方がフリーランス・個人事業主だった場合、
申告書だけでなく、決算・申告を必要とします。

亡くなった方が生前から税理士と契約していた場合、
決算書や申告書の作成に不安は少ないかもしれません。

一方で、亡くなった方が個人事業主で自己申告をしていた場合、
相続人にとって負担が大きくなる可能性があります。

相続スケジュール 将来に先送りしない

相続開始にともなう準確定申告だからといって、
決算・申告が過重な負担とは限りません。

決算・申告の根拠となる資料が備わっており、
過去のデータを参照できる状態であれば、
準確定申告の着手もスムーズに進みます。

それとは逆に、資料やデータが混とんカオスとしていると、
準確定申告には労力と時間の負担がのしかかります。

相続が開始されるという状況を縁起でもない、
という気持ちは人情です。

反面、何が起きるかわからない現実もあります。

メメントモリいつか死ぬんだよ」は哲学的・心情的な警句の印象ですが、
自営業者にとっては経営の最期ともつながります。
 (「memento mori」はラテン語です)

気づいたときからの経理処理の見直しは、
経営者以外の負担も少なくできます。

 

蛇足
10月31にはハロウィンですね。
日本では仮装とスイーツのイベントとして定着してきた印象です。

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