お金の履歴を説明できますか?
経費、貸付、出資、プライベート?

自分のお金の管理にとやかく言われる覚えはない!
と言い切りたいところです。

では、根拠は?、というツッコミへの備えが必要となります。

良薬らしい苦さのピーマン

お金の履歴 通帳への問い合わせ

税理士とお客様との定番の応答があります。

その一つが通帳の入出金の履歴の確認です。

会計ソフトに入力する仕訳では、

  • 日付
  • 取引金額
  • 相手先
  • 取引内容
  • 勘定科目

といったデータ、さらに消費税の課税区分が必要です。

通帳には、日付・取引金額・相手先はわかりますが、
取引内容は確認が必要なこともあります。

取引内容次第で勘定科目が異なるだけでなく、

  • 経営状態
  • 税金の納税額

といった具体的な影響にもつながります。

お金の履歴 売上でも経費でもない?

事業上のお金の入出金が売上と経費だけであるならば、
確認はシンプルなはずです。

売上・経費に関連する請求書と通帳の入出金を突合させれば
確認が可能です。

一方で、パッと見ただけでは取引内容や勘定科目が不明な場合、
突っ込んだ質問の対象となります。

たとえば、見慣れない相手先への出金。

  • 経費:仕入、消耗品、交際費、広告宣伝費etc
  • 借入返済
  • 固定資産
  • 貸付金
  • 出資金 
  • プライベート etc

経費であれば、当該事業年度の経費かどうか、税務申告との関連
といった検討事項が付け加わります。

支出が固定資産の購入と関連しているのであれば減価償却の検討対象です。

貸付金や出資金は経費の対象とはなりません。

損益計算書ではなく、貸借対照表の資産に計上することになります。

損益計算書に計上される経費であればその年のみお目にかかります。

一方で、貸借対照表に計上された貸付金や出資金は、

  • 変動がない限りは資産計上の状態が続く

ということになります。

お金の履歴 長期間の記録と保管

貸付金や出資金が貸借対照表の資産に計上されたところで、
損益や納税額への影響はなさそうに思えます。

短期的には不安はないかもしれません。

とはいえ、長期となると話は別です。

たとえば、出資金。

出資額が解約などで全額戻ってくる場合には簡潔な処理です。

  • (借方)お金 (貸方)出資金

しかし、出資先の経営状況次第では出資額の返還が怪しくなります。

不安は出資先にだけあるとは限りません。

出資の内容や返還の契約の確認、資産計上の正確性といったことは、
出資者当事者でも管理する必要があります。

1年を区切りとして経費や申告額を左右する出金も見逃せませんが、
貸借対照表で長期に渡り計上される対象にも注意が必要です。

記憶だけには頼れません。

根拠となる資料や記録の保管が過去から将来への不安回避に役立ちます

不確かなお金の入出金に気づいたときに確認がおすすめとなります。

 

蛇足
アイキャッチ画像はお客様から頂いたピーマンです。
2023年(令和5年)11月は暑い秋から冬に急展開しています。
体調管理に栄養は欠かせませんね。

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