相続税申告に分割協議書は必須か?
調停成立後には上位互換の調書で申告!

「互換性」ということばは「なんとかやりくりする」
という印象とつながります。

一般にはコスト・コスパとつながりやすいことばかもしれません。

税務申告でも互換性が顔をのぞかせることがあります。

互換性不要のおいしさ

上位互換 手書きの伝票はダメか?

税務会計の処理に詳しくない方でも領収書やレシートが大切!
ということはご存知です。

決算・申告の必須資料として、とりあえず領収書・レシートと
居酒屋で生ビールを注文する勢いだったりします(笑)。

他方、うっかり小口の現金支払いなどでレシートを紛失され、
がっがりされる方もいらっしゃいます。

そういった方には、

  • 日付・支払先・金額・内容を
  • 手書きのメモで備えてください

とお伝えするとホッとされます。

取引先から発行される領収書・レシートではないにせよ、
当事者のメモは互換性のある資料となります。

ただし、下位互換性です。

資料の互換性は違う税目でもみられます。

たとえば、相続税。

上位互換 分割協議書もゴール

相続税の申告では申告書だけでは物足りません。

小規模宅地の特例や配偶者の税額軽減といった選択は
「分割協議書」を申告書と同時に提出する必要があります。

相続税負担の軽減措置を利用できるかどうかは、
申告の成果として重要な課題です。

相続人間での遺産分割を協議書でまとめることも
相続手続きのゴールと言えるわけです。

とはいえ、「争族」の状況では協議書は作成できません。

家庭裁判所での「調停」も相続・争族問題解決につなげられます。

裁判所での調停という場があることで、当事者だけでは困難
と言える状況を進められます。

調停の成立という成果が大切ですが、成立による「調書」も重要です

上位互換 調停成立後には調書!

裁判所での調停が成立すると、「調書」が作成されます。

遺産分割協議であれば、

  • 相続人
  • 成立した遺産分割の内容
  • 財産の目録

といった内容が記載されています。

記載されている内容は分割協議書に類似しています。

異なるのは作成者です。

相続人ではなく、裁判所により作成されます。

ザックリ対比してみると、

  • 家庭裁判所での調停成立後の調書‐領収書・レシート
  • 相続人作成医の分割協議書‐手書きのメモ

といった互換性がみてとれます。

相続税の申告には各種の税負担軽減措置があります。

とはいえ、そうした軽減措置は相続人間での同意が前提です。

相続人間での協議で分割協議書を作成することも選択肢ですが、
調停により分割の成立に至る道筋もあります。

調停成立後に作成される「調書」は相続税申告で重要な
分割協議書の上位互換として利用できます

「互換性」という視点で重要性を理解することができます。

 

蛇足
アイキャッチ画像は旬のスイートコーンです。
完熟していると甘さと瑞々しさが美味しく感じられます。
デントコーンでは完熟しても互換性がありませんからね(笑)。
 (ガチガチで甘くありません)

<ご案内>

■林友範税理士事務所

ご依頼はこちら

■災害と税金の情報

災害と税金