決算・申告後のあと一息とは?
成果をしっかり残して活用する!
決算・申告の後は深呼吸をしてリラックスがおすすめです
と言いたいところです。
税理士という職業柄、それとは別のアドバイスがあります。
決算・申告の後だからこそのあと一息おすすめです。
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樹上でもしっかり残る雪
あと一息 緊張感からの解放だけど
個人事業でも法人経営でも決算と税務申告は重要な業務です。
1年間の経営成績だけでなく、所得税・法人税・消費税が確定して
納税することになります。
経営成績は銀行への融資の申込みにも影響もします。
税務会計処理は淡々とした事務処理の印象ですが、
- 処理の漏れがないか?
- 未確認事項を放置していないか?
- 処理が適切・妥当か?
- 複数の選択があった場合に検討できていたか? etc
と考えを巡らすと混沌とします。
決算・申告後はスカッと忘れたくなるのも無理はありません。
他方、あと一息の頑張りを応援するのが税理士だったりします(笑)。
あと一息 成果品の誤解
決算・申告にともなう誤解の一つに「成果品」があります。
個人事業で青色申告であれば規模や業種にかかわらず、
- 決算書(損益計算書・貸借対照表)
- 所得税・消費税申告書
- 会計帳簿
- 関連資料
といった1年間の経営の成果が形として残ります。
法人であれば申告書の分量だけでもさらに増えます。
プリントアウトして「製本」すると、達成感があるかもしれません。
決算書も申告書も翌年度以降の経営とつながる資料なので、
経営当事者には重要な「データ」です。
決算・申告の直接的な成果は「データ」として重要です。
「製本」されたファイルによる成果品でもPDFファイルであっても
優劣も甲乙もありません。
決算書や申告書は書面でもデジタルでも残る成果ですが、
残りにくい成果は決算・申告の「記録」です。
あと一息 成果はしっかり活用する!
決算・申告の過程では、確認事項や検討事項が多々あります。
毎年のルーティンワークから当年分に限るイレギュラーな事態と
印象の薄いものから印象深いものまであります。
ルーティンワークで印象が薄いからといって重要ではない
とは言えません。
たとえば、棚卸や売掛金の残高確認。
売上原価の確定や売上の計上と関連する、利益の変動につながり
無視できない対象です。
印象深い、記憶に残ることも時間とともに曖昧になります。
たとえば、固定資産の購入や大規模な修繕。
減価償却により将来の費用に影響します。
経営当事者の印象や記憶は重要ですが、それだけでは曖昧になります。
決算・申告の後は記録を残すことがおすすめです。
- 決算・申告に取り組んだ期間
- 取り組んだ過程や順序
- 扱った資料
- 検討した事項や選択の過程
- 今後の課題 etc
誰かに見せたり、提出するものではありません。
当事者だからこそ切実に感じられて記録として残す必要がある
といったことが対象です。
「今後の課題」は将来というよりも決算・申告直後に取り組む課題です。
決算・申告での成果を活かす新年度は既に始まっています。
決算・申告後のあと一息の頑張りがおすすめです。
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蛇足
アイキャッチ画像は2月に降り積もった樹上の雪です。
樹木の剪定次第では樹上にもがっつり積雪となります。
見た目以上の重量なので、ちょっと怖いですね。
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