外注費の落とし穴 費用と利益を見逃さない

中身が大事です。


何をどう冷やすか。

外注費の落とし穴 固定費削減は必要だけど

固定費の削減が大切であることは以前に紹介しました。
(固定費が厄介な理由)
とくに地代家賃や人件費は契約での拘束が大きいので、経営の動向を左右することもあります。

その一方で、売上への貢献との釣り合いを検討する必要もあります。
固定費を削減するだけが経営改善にプラスになるわけではありません。
もし、固定費(人件費)を削減しても売上が減り、経営が傾いては本末転倒です。

外注費は人件費のような固定的な支出を減らす一方で、必要な経営資源(リソース)を流動的に事業活動を進めるという発想です。
このように表現すると、固定的な人件費を減らして外注を利用する方がスマートな印象ですが、おいしい話ばかりではありません。

外注費の落とし穴 変動費ではあるが

外注費は、必要なときにのみ組織外部のリソースを利用するので変動費です。
外注費には固定的な人件費のような、給与・手当(残業・通勤その他)・社会保険料・福利厚生費・退職金といった費用の負担はありません。
一見すると、スポットでの利用の外注費はコスパの良い投資といえます。
固定費→変動費化の代表例ともいえるので、疑問に思わない可能性もあります。

とはいえ、何事にもメリットのみとは限りません。
会計事務所勤務時代に、とある施工業者(一人親方)のお客様の外注費に注目することがありました。
注目したのは、売上は年々順調に伸びていたのですが、外注費の伸び率が売上の伸び率を上回っていたことでした。
外注先も一人親方・フリーランスの方でした。
経営者の方にとっては、直近の売上と支払が重要です。
また、一人親方という経営スタイルでもあり、継続的な雇用を想定していなかったので外注費の増加まで把握しきれていないということでした。

外注費という選択でコスパの良さを発揮するのは、基本的にはスポット的な選択だからこそともいえます。
(外注を「派遣」と読み替えての格差問題は別問題です)

外注費の落とし穴 売上だけをみない

「外注費」という勘定科目だけをみると、固定費負担の少ないコスパの良い経営という印象です。
売上に変動があるなら、費用も変動化できるようにしておくのも合理的です。

ただし、外注の利用も固定費の変動費化も実態の把握が不可欠です。
外注費では、それ自体の支出と売上高の対応を管理しておく必要があります。

一般的な損益計算書は、売上高と売上原価と対応して粗利益が計算されます。
売上高ー売上原価=粗利益
売上原価は、モノの仕入額をイメージすることが一般的です。

しかし、経営の管理のための損益計算をするなら、重要な経費を売上高と対応させるべきです。
売上高ー(売上原価+○○)=利益
○○が、外注費か地代家賃か人件費かは事業活動ごとに異なります。

外注費や変動費というイメージより、実態の把握が大切です。

 

蛇足
売上の伸びは支出の伸びを麻痺させるわけです。
ほどよく痺れたいもんですが・・・

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