古い様式も学ぶ必要があるのか!?
伝票?、帳簿?、決算・申告書?
わかっているはずのことで見て見ぬふりをされると、
イライラすることがあります。
誤解を解いておくとストレスをスルーできそうです。
古い様式 無駄!、無駄?、無駄!?
簿記の学習を始めた21世紀初頭に違和感がありました。
- 今時こんなもん使うのか?
「こんなもん」と違和感を持った対象は、
- 伝票
- 仕訳帳
- 現金出納帳
- 総勘定元帳
- 売掛帳・買掛帳
- 試算表 etc.
と経理で使用する定番のツールでした。
「こんなもん」と否定しては勉強が進まない対象です(笑)。
それでも、会計ソフトが全盛の時代にそぐわない、
前時代的な印象が強く残りました。
まず、税理士志望者であればタブーの発想です。
違和感や不信感は学習の達成を妨げます。
試験合格のお預けというしっぺ返しがありました(笑)。
一方で、実務上必要に迫られて簿記や経理に取り組む場合、
古い様式との付き合い方にコツがあります。
古い様式 理解して距離を置く
学習から実務に移り、税理士事務所に就職した後で、
- 三枚複写伝票(と勘定科目印)
といった昭和の時代のテクノロジーに遭遇しました。
たとえば、以下の取引を経理処理する場合を想定します。
- 6月22日 会議費を現金で支払い
- (借方)会議費 (貸方)現金
シンプルな処理ですが、
- 取引をとらえる仕訳帳
- 会議費や現金勘定の元帳
と帳簿上の処理はあります。
三枚複写伝票ではカーボン複写を利用することで、
帳簿上の処理を効率化する仕組みでした。
一度の手書きで転記の負担を軽減しながらも
必要な帳簿を作成することができました。
- 取引を複式簿記の様式で表現する
- 同一の取引からデータを転記する
- 勘定科目間のつながりを理解する
といった簿記の仕組みを手を動かして理解できます。
ただし、ポジティブな面はここまで(笑)。
安くて充分な機能がある会計ソフトが使える現状では
三枚複写伝票を使う理由はありません。
仕組みを理解することと実際の利用・オペレーションは
分けて考えるべきです。
古い様式 古くても残るものが大切!
税務会計の分野は紙書類の文化が根強く残っています。
- 決算「書」
- 申告「書」
- 別「表」
所得税の申告で「確定申告書等作成コーナー」を利用すると、
データの入力で処理が進みます。
それでも、最終的には紙書類に対応した申告書の様式で
出力されます。
- 収入
- 所得
- 所得控除
- 税額控除
- 税額
といった出力・表記される構成要素は紙書類と変わりません。
複式簿記をインターフェースで感じさせない会計ソフトもあります。
一方で、そうしたソフトでも複式簿記と無関係
といったことはありません。
運用面でのツールは変化していきます。
それとは別に変化しない発想や仕組みがあります。
元「帳」・決算「書」・別「表」といったことばが使われますが、
- 運用やオペレーションは更新・アップデートしていく!
という割り切りがおすすめです。
適切性と効率性を同時に達成するアプローチに魅力があります。
蛇足
アイキャッチ画像はパンとケーキのお店「びろん(石川県小松市)」
のメロンフェアで販売されていたメロンパンです。
2023年は創業30周年だそうです。
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