確定申告の決算書に変更あり!? 令和4年分から収支内訳書が副業でも対象に!?

「収支内訳書」は「白色申告」版の決算書です。
タイトルに「!?」としているのは、限定的だからです。


秋祭り

決算書変更 毎年変更無し?

法律というと、カチッとしていて変わらない融通が利かない
といった印象があります。

「カチッとしていて」や「融通が利かない」はともかく、
「変わらない」は誤解です。

たとえば、税法。

毎年あきれるくらいの改正があります。

税制改正や手続きの変更にともなって「申告書」の様式は
若干ではあっても変更されます。
(確定申告書の様式変更は知っておくべきか?)

申告書とは対照的に、「決算書」は毎年変更無し
といった印象です。

決算・申告と一連の手続きですが、両者は別物です。

税制改正は税金の申告(と納税)に影響します。

一方、事業の経営状況や財務状態を対象とする決算は、
本来会計処理であって直接的には税法とつながりません。
(とはいえ、実態は税法のルールが決算に影響します)

そういった事情もあり、税制改正があっても

  • 申告書様式変更あり
  • 決算書はそのまま

といった状況が続いていました。

令和4年分の確定申告からは印象が変わります。

決算書変更 収支内訳書の変更

令和4年分以降の「収支内訳書」は下記の様式です。

変更?、例年通りじゃない?という印象です。

収支内訳書の様式に変更があるとはいいましたが、

  • 金額
  • 記載事項

での変更はありません。

下記のように文言が加わったことが変更内容です。

加わった文言とは「雑所得」です。

まず、冒頭の収支内訳書の作成対象者が拡大しています。

収支内訳欄の記載開始では、

  • 事業所得 → 「営業等」
  • 雑所得 → 「雑(業務)」

とあらかじめ選択する必要があります。

雑所得といっても、年金受給者などは対象ではなく、

  • 副業
  • 副収入

による収入・所得がある方が収支内訳書の対象というわけです。

なお、白色申告での事業所得者と収支内訳書を共用するので、
雑所得では利用できない対象も明記されています。

上記の変更は令和4年分の確定申告から対象です。

決算書変更 今年分の対策は今年から!

不意打ちか!?、と思われそうな変更です。

誤解です。

上記の改正は令和2年より明らかになっていました。

副業や副収入での確定申告に収支内訳書の作成が必要なケースは、
下記の通り限定的です。

前々年の収入(売上)が1000万円超」が収支内訳書を作成する必要があります。

な~んだ、とホッとした方も多いかもしれません。

副業や副収入で収支内訳書の作成が必要とされる方は、
現状少ない印象です。

留意点は「現状」、現在の制度上と留保条件がつきます。

収支内訳書の金額や記載事項といった変化はないかもしれません。

その一方で、税制改正によって作成対象者が拡大される
という可能性はあります。

副業や副収入といった形態、収入・売上金額の多寡に関わらず
会計・経理面での不安を解消しておくことがおすすめです。

令和4年分の確定申告対策は、令和4年の内から始める対象です。

 

蛇足
本文で紹介したスライドは下記セミナー動画の一部です。

ご参考になれば幸いです。

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