税理士と話がかみ合わないケースがありませんか? 特別償却は節税?、資金繰り?

にこにこ話をしていても、噛み合っていないこともあります(笑)。


なんとかなう。

かみ合わない話 同じことばと違う視点

仕事で打ち合わせをしているときに相手の表情やしぐさは
重要なメッセージです。

腕組みをして眉間にしわを寄せている表情では、
好印象や成果は期待できそうにありません。

相手がにこにこした表情でうなずいている場合には、
話していてホッとします。

とはいえ、だからといって話がかみ合っているとは限りません(笑)。

むしろ間違いや誤解を放置したままになることもあります。

たとえば、「特別償却」。

通常の減価償却を追加・前倒しする処理です。

経費である減価償却をプラスするので、利益が小さくなり、
税負担が軽くなります。

パッと見ると節税だけに注目しがちです。

かみ合わない話 視線の先は?

特別償却をすると節税につながります。

減価償却をすることでの経費の総額(トータル)では同じ金額です。

こう言ってしまうと「朝三暮四」のぬか喜びといった残念な処理
という印象があるかもしれません。

売上や経費が長期に渡って一定ならば、確かにパッとしない処理です。

現実の経営では売上や経費は変動します。

たとえば、2020年(令和2年)からのコロナ禍。

売上が急速に落ち込んだケースも多くあります。

利益が出ていたとしても、先行きは不透明かもしれません。

それでも事業継続するならば、お金・資金繰りが必要です。

特別償却をすることで利益が小さくなる税負担が減りますが、
視点を変えれば、手元に残るお金が増えるともいえます。

決算書といえば、

  • 利益や税負担 → 損益計算書
  • 手元のお金 → 貸借対照表

と同じことばで話しても、視線の先にあるものは違います。

かみ合わない話 決算の前と後

視線の先にある着地点の違いがかみ合わない原因になります。

特別償却が話題になる決算前には利益や税負担が気がかりです。

とりわけ損益計算書は利益が直感的に把握しやすい構造でもあり、
注目されやすい決算書です。

事業の継続にお金は欠かせません。

その一方で、お金が集計される貸借対照表は理屈っぽさのためか
経営者にとっては後回しにされがちです。

特別償却という一つの処理であっても、その影響は同時に二つの着地点を
もちます。

どちらを重視すべきかというとらえ方は、やはりかみ合わせがわるいものです。

決算申告という短期の効果と資金繰りという短期から中長期に影響する問題が
同時に処理されているという理解が必要です。

 

蛇足
一度で二度おいしい、一石二鳥は誰もが知っているフレーズですが、
複式簿記の処理が絡むと苦虫をかみ潰したような表情になりそうです。

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