決算書を加工するってどういうことか? 税法仕立ての克服へ
ダークサイド!?、ではありません(笑)。
NGな加工
決算書を加工する 粉飾でも脱税でもない
日常の経理の結果できる書類が試算表です。
試算表を経営管理のために加工することは以前お伝えしました。
(試算表を加工するってどういうことか?)
短期を視野に経営を管理する上では、試算表の加工は有効です。
試算表の加工は、経営管理の見える化ともいえるからです。
試算表の加工と同じように、決算書の加工もあります。
!?
決算書の加工といっても、粉飾や脱税が目的ではありません(笑)。
試算表の加工と同じように、組織内部での判断の手段として利用するためです。
ただし、試算表の加工とは内容や目的が異なります。
決算書を加工する 決算書は税法仕立て
事業にとって最大の問題は、継続です。
短期的に赤字になっていても、長期的に黒字が見込めるならば
最悪の問題ではありません。
事業が続けられない状況といえば、手元のお金の不足があげられます。
さらに広い意味での事業リスクを考えると、
・経営者の高齢化
・後継者の不足
といったことも考えられます。
事業の継続を考える上でも根拠は必要です。
最も確かな根拠が決算書。
事業の開始からの情報が集積しています。
決算書は、ざっくり下記から構成されます。
・経営成績を表す損益計算書
・財政状態を表す貸借対照表
決算書は事業活動を検討する重要な根拠なのですが、
必ずしも経営のリスクを反映しているとはいえません。
決算書が経営リスクが反映していないといっても、
経理処理がでたらめというわけではありません。
リスクは将来に向かっていきます。
経営の実態を見える化しようとすると、
現状のリスクを決算書に反映したいところです。
たとえば、製造業など設備を多く抱えている事業の場合、
生産設備の老朽化による修繕や取り替えや廃棄の可能性があります。
潜在的には将来のコスト負担があります。
その一方で、こうした想定は一般的には決算書に現れません。
理由は、そうした将来の負担(費用)を経営成績に反映すると、
利益操作につながる可能性があるからです。
税法では、こうした利益操作につながりかねない処理はNGとなっています。
言い換えると、税法が決算処理の判断基準になっているともいえます。
本来は、経営実態→決算書→申告書ですが、
実情は、税法→決算書→申告書となっています。
決算書は税法仕立てというわけです。
経営実態をとらえようとするなら、
税法仕立ての決算書だけでは不十分かもしれません。
決算書を加工する 事業を承継するのも売却するのも
事業の先行きの選択肢には、
継続・拡大・縮小・撤退・廃業・承継・譲渡があります。
どの選択肢をとるかは、経営者の判断次第です。
とはいえ、実態にもとづかない根拠をもとに判断ができません。
将来の予測を折り込みつつ、現状を把握するという手段として
決算書の加工があります。
蛇足
申告書の加工はありません。
ダークサイドに落っこちます(笑)。
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