損益の確認は会計ソフトだけでは物足りない!?
会計ソフトの役割と限界とは?

とっつきにくい決算書といっても損益計算書は
売上・経費・利益と直感的にわかりやすいはずです。

では、確認もサクッと済むかというと…?

物足りない確認 歯切れが悪くなる!?

個人事業でも法人の経営でも決算処理後の確認は必須です。

会計→税務申告と進むので、決算処理は所得税・法人税・消費税に影響します。

決算書では損益計算書と貸借対照表の確認が要です。

直感的ではありませんが、確認しやすいのは貸借対照表です。

決算日時点でのあるべき状態を確認するためです。

損益計算書は売上・経費・利益を対象としているので、
経営者の関心は強く、一見確認は容易です。

「一見」という点が曲者です。

決算処理後の損益・経営成績の確認を経営者に求めると、
歯切れが悪くなることがあります。

物足りない確認 会計ソフトの役割と限界

事業で利益がどれだけあったか、費用の額はどの程度だったか
という確認は損益計算書の出番です。

会計ソフトに入力したデータが即転記・集計されるので確認できます。

決算直前の締め後分の売上や仕入などの計上漏れの追加入力や
経費計上の漏れや未処理もすぐに処理できます。

他方、貸借対照表での「あるべき」科目残高の確認とは異なり、
損益対象には「あるべき」金額は確認しづらい限界があります

減価償却費のように取得価格や耐用年数、償却方法が決まり、
計上金額が予想される経費はあります。

地代家賃も計上額を想定しやすい勘定科目です。

他方、交通費や支払手数料などの経費には「あるべき」金額の想定とは
相性の悪い勘定科目です。

適切に計上されて経費であっても、1年間のデータだけではわからない
といった限界があります。

たとえば、支払手数料。

雑費勘定ほどではないにせよ、複数の取引内容が合算されがちです。

サブスクの利用が増えていたり、手数料の値上げが重なることで
計上額が増加傾向になることがあります。

単年度分の計上額だけをみていてもわからない対象です。

過去3~5年の推移や科目の内訳にまで踏み込んでみないと
実態が把握しきれないことがあります。

過去のデータとの比較や内訳を対象にした確認では、
会計ソフトよりもExcelの利用が簡潔です。

数字の羅列だけでなく、ショートカット(Alt+F1)でグラフも表示できます。

会計ソフトは会計処理の効率化のツールですが、万能ではありません。

物足りない確認 別のツールでカバーする!

損益計算書の確認は大切です。

ただし、当年度に対しては適切な会計処理と業績の確認、
翌年以降の経営の見直しのための確認と分けられます。

直感的でわかりやすい印象の損益・経営成績の確認ですが、
当年度データ・会計ソフトだけでなく過年度・Excelの出番があります。

会計ソフトには適切で効率的な会計処理の役割はありますが、
経営の管理や分析までカバーしきれません。

わかりやすいi印象の損益の管理でも必要に応じてExcelなど
別のツールを利用することがおすすめとなります

 

蛇足
確認や分析には必ずしも専門知識が必要とは限りません。
とはいえ、漫然と数字を眺めていてはわかるものもわからないので
工夫の余地がありますね。

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