年末調整でもやもやする理由 対象者・経理担当者・税理士の負担とは?
誰かがなんとかすればスカッと解決できる!
とはいきません(笑)。
それでも不一致感を知っておくともやもや感は
やわらぎます。
ビッケ(小松市)
年末調整もやもや 人気の無いイベント?
収入が増えるというわけではないのですが、
年末調整の結果お金が戻ってくると悪い気はしません。
あらためて確認すると、
- 年末調整は給与から源泉徴収された金額の精算
というイベントです。
勤務している方で源泉徴収されている場合には、
- 毎月の源泉徴収額が機械的に設定され
- 個人的な事情が反映されていない
というわけで年末に調整の処理を行います。
多くの対象者では「還付」で調整が終了するので
お金が戻ってきます。
還付となるということは、
- 源泉徴収税額 > 実際の税額
ということで、上記の差額が還付額になります。
- 源泉徴収税額 - 実際の税額 = 還付額
お金が戻ってくる年末調整ですが、人気はパッとしません。
年末調整もやもや 三者三様のもやもや感
年末調整に関わる方は以下の通りです。
- 年末調整の対象者
- 経理担当者
- 税理士
上記の関係者はそれぞれ年末調整でもやもやした気持ちを
抱えています。
まず、年末調整の対象者。
お金が戻ってくるという面ではポジティブなはずです。
それでももやっとするのは、毎年毎年同じような、
それでいて微妙に変わる書類を準備する必要があります。
また、個人所得税の精算のはずの年末調整といいながら
家族の情報を提示する指示があります。
プライベートな事情と年末調整は折り合いが悪い印象です。
次に、経理担当者。
給与の処理は経理の一環のため、年末調整も担当します。
しかし、経理担当者の本来の業務は会社のお金の管理です。
日常の経理業務を抱えながら、対象者全員の年末調整を
- 締め切りに迫られながら
- 慣れない個人所得税に関連した処理を
- もやもや感を抱えた対象者を相手に進める
といった負担があります。
そして、税理士。
経理担当者と同じ負担やもやもや感があります。
また、本来個人所得税が確定申告がゴールで完結する
ということを前提にしています。
言い換えると、個別具体的な事情を反映しつつ
継続したサービスを確定申告を通じて行います。
機械的な処理で所得税の処理を完結させる年末調整は
不完全燃焼のもやもや感を残します。
年末調整もやもや 確定申告書は一度はみておく
年末調整という制度がある間は、対象者・経理担当者・税理士が
もやもや感を払拭することは難しそうです。
とはいえ、ちょっとストレスを減らすアプローチがあります。
年末調整の対象者であっても一度は確定申告書を作ってみる
ことをおすすめします。
国税庁サイトのウェブサービス「確定申告書等作成コーナー」では
源泉徴収票をもとに入力していくことで確定申告書が作れます。
年末調整しか源泉徴収の精算手続きができないというのではなく、
確定申告での解決という可能性があることを知っておくと、
年末調整のもやもや感は小さくなります。
蛇足
経理担当者・税理士のもやもや感は当分の間残りそうです(笑)。
データの連携をスムーズにしていくことが当面の目標ですね。
<ご案内>
■林友範税理士事務所
■災害と税金の情報
■確定申告のご依頼も受付中!