大人の教養簿記Vol.3 仕訳を攻略する!
見える化・入力即決算書!?
簿記の鬼門ですね(笑)。
仕訳を乗り越えれば簿記の理解もご利益も満載なので、
登竜門でもあります。
仕訳を攻略 簡潔なのにとっつきにくい!?
複式簿記の象徴的な処理形式が「仕訳(しわけ)」です。
「借方(かりかた)」と「貸方(かしかた)」に勘定科目が並ぶ
取引の表現形式です。
たとえば、消耗品の購入。
- (借方)消耗品 (貸方)お金
費用や資産の定位置がわかっていれば、シンプルな表現です。
(大人の教養簿記Vol.3 丸暗記からスタート!?)
一方で、慣れない段階では「???」かもしれません。
複式簿記の特徴である仕訳は簡潔なのにとっつきにくい
ちょっと皮肉なイメージがあります。
攻略にはみえていない情報を見える化する必要があります。
仕訳を攻略 見える化と推理力UP
仕訳がわかる方とそうでない方との違いでは、
- 仕訳の表現以外の情報がみえているか?
という点が決定的な分かれ目となっています。
前述の消耗品の購入はシンプルな仕訳ですが、
- (借方)消耗品費用プラス (貸方)お金資産マイナス
といった情報がセットとなっています。
上付きや下付きの表記は表面には出てこない情報ですが、
仕訳がどんな取引を表現しているかを示しています。
このことは逆の視点からも指摘できます。
科目勘定の選択にも当てはまります。
取引と関連した勘定科目を無闇に探すより合理的となります。
たとえば、何らかの支払いをした場合。
- (借方)??? (貸方)お金
- 「借方」科目なので「資産」か「費用」の勘定科目のはず
- 固定資産などの設備投資であれば「資産」
- それ以外のモノやサービスであれば「費用」
と検討を進められます。
無闇に調べたりするよりも基本的な知識を利用することで
推理力UPの効果で検討を進められます。
また、上記の段階で悩んだ場合でも、
- とりあえず「仮払金」勘定で処理して後でフォロー
と停滞を防ぐことは可能です。
損益計算書の収益・費用や貸借対照表の資産・負債・純資産は
丸暗記がおすすめと言えるわけです。
複式簿記を効率よく運用する「仕訳」の理解に貢献します。
仕訳を攻略 入力即決算書!
簿記のテキストでは現金出納帳や売掛帳、残高試算表等と
各種の帳簿の作成が説明されます。
どの帳簿も経営を管理するために有効な成果となります。
とはいえ、実務上これらの帳簿を個別に作成することはありません。
会計ソフトでは集計・転記の処理が備わっています。
「仕訳」を1回入力すれば、各種の帳簿や決算書まで反映されます。
ポジティブにとらえれば効率的です。
反面、入力した仕訳次第では残念な成果が出力されてしまいます。
取引と仕訳の対応は大半がパターン化されています。
簿記の勉強が仕訳パターンの暗記ととられることも無理はありません。
ただし、簿記を目前の処理のためだけでなくとらえるのであれば、
仕訳の背後にある情報や判断を想定することがおすすめです。
仕訳パターンの暗記で消耗するよりも、ずっと成果が実感できるはずです。
簿記の初歩段階での丸暗記の効果や仕訳の見える化の成果は、
日々の処理だけでなく決算に至るまで反映されます。
蛇足
アイキャッチ画像は実家の神棚に供えたお神酒の残りです。
大晦日前に無事実家の大掃除も完了しました。
銘柄の「加賀鳶」は大名火消しに由来しているそうです。
石川県でも正月の出初め式では消防団により「梯子登り」が披露されます。
蛇足2
下記は仕訳を見える化した一例です。
- 売上を請求 (借方)売掛金資産プラス (貸方)売上収益プラス
- 売掛金を回収 (借方)お金資産プラス (貸方)売掛金資産マイナス
- 借入の入金 (借方)お金資産プラス (貸方)借入金負債プラス
- 借入の返済 (借方)借入金負債マイナス (貸方)お金資産マイナス
上付きや下付きの表記が見えるようになると「簿記使い」となります(笑)。
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