相続税申告が必要なのでは?と誰が指摘するか?
登記前に相続税申告の必要性を把握しておく
大人になると相当の出来の怪談でもその気になりませんが、
想定外のお金の負担はゾクッとドキッが同時に感じます。
怪談のようにスリルを期待しているわけではないので、
お金の負担は想定内にとどめたい対象です。
負担の可能性がみえたときにも、動揺を拡大させない、
冷静な対応のとり方が必要になります。
申告が必要 税理士以外からの指摘
「相続」と一口に言っても手続きは多岐にわたります。
手慣れた対応がとれることが期待できないので、
時間もかかれば、要領を得ないこともあります。
とはいえ、法律が関わる手続きは事後の不安もあるので、
後回しには出来ません。
相続開始以降の不動産の「登記」もその一つです。
家などの建物や不動産の相続・所有を明らかにするため、
また相続登記が義務化されているため登記は欠かせません。
登記は「司法書士」が取り扱います。
相続人が自ら登記の手続きすることも可能ですが、
プロに任せれば不安がありません。
他方で、相続登記を司法書士に依頼した際に、
- 相続税の申告が必要なのでは?
と指摘されることもあるようです。
相続登記ではなく、相続「税」の想定外の負担でドキッとします。
申告が必要 概算をザックリ計算する
相続税は相続人ならば必ず負担しなければならない税金
というわけではありません。
相続税申告が必要となるのは、
- 遺産総額>基礎控除
- 基礎控除=3,000万円+600万円/人✕相続人
とザックリ見積もることができます。
基礎控除は機械的に計算できます。
たとえば、相続人が配偶者と子の合計で3人の場合、
- 3,000万円+600万円/人✕3人=4,800万円
遺産総額は被相続人(亡くなった方)の財産となります。
遺産のうち、不動産は「固定資産税評価額」が参考になります。
- 土地の評価≒固定資産税評価額÷0.7✕0.8
- 固定資産税評価額✕1.14
- 公示価格✕0.7=固定資産税評価額
- 公示価格✕0.8=相続税評価額(路線価)
- 固定資産税評価額✕1.14
- 建物の評価=固定資産税評価額
という概算が可能です。
相続税申告は税理士が取り扱いますが、参照するデータの都合上、
司法書士も上記のデータより申告の必要性を指摘されます。
固定資産税評価額は固定資産税課税明細書で確認できます。
現預金の確認とは異なり、机上で資料の確認と計算が必要となります。
上記はあくまで概算ですが、相続税申告の必要性の参考になります。
また、国税庁の「相続税の申告要否判定コーナー」を利用もできます。
申告が必要 申告が必要でも慌てない!
相続税の申告の必要性が判明した段階で、
- 相続税の課税対象=遺産総額-基礎控除
- 相続税=課税対象✕税率
- 税負担の軽減措置
- 配偶者の税額軽減
- 小規模宅地の特例
- 申告期限は相続開始から10か月
といったことがわかっていれば、次の一手で慌てることはありません。
税率は以下の通りです。
相続税の申告に際しては、納税資金の確保も課題となります。
また、相続後の財産の管理、不動産の維持も検討事項となります。
相続税の申告も相続人自ら行うことは可能ですが、容易とは言えません。
登記を司法書士に依頼するのと同様に、相続税申告は税理士に依頼する
という選択肢もあります。
相続手続きでは不安や負担が続きます。
早い段階で登記や税務申告の見通しをつけられることをおすすめします。
蛇足
アイキャッチ画像はタカサゴユリです。
事務所の駐車場の脇に咲いていました。
栽培しているわけではなく、自然に生えているようでした。
真夏でも大きな花が咲いていて人目を引きますね。
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