フリーランス法では何に注意するのか?
社長や親方もフリーランス!?

「フリーランス」をフワっとイメージだけでつかんでいると、
自分の仕事と関係ないと誤解しそうです。

現在進行中、今後の仕事の発注とも関連するはず
ととらえることが現実的です。

まずは、「フリーランス」の確認からです。

フリーランス法 社長も対象になる!?

小中学校の租税教室に登壇した際に、税理士の主なお客様として
「社長」と表現することがあります。

「個人事業主」や「自営業」というと、生徒の食いつきはイマイチです。

「経営者」も悪くありませんが、「社長」のわかりやすさが勝ります。

経営のトップを担う偉い人、組織のトップと簡潔に示せます。

他方、そうした「社長」も「フリーランス」として位置づけられ、
法律で守られる対象にもなります。

2024年(令和6年)11月1日より通称「フリーランス法」が始まります。
 (ことばを補うと「フリーランス・事業者間取引適正化法」)
 (正式には「特定受託事業者間に係る取引の適正化等に関する法律」)

フリーランス法 どんな法律で何が義務か?

フリーランス法とは、

  • 発注事業者からフリーランスへの業務委託での
  • フリーランスと発注事業者間の取引の適正化
  • フリーランスの就業環境を守る

といった法律です。

フリーランス」は特定の業種に限定されておらず、

  • 従業員を使用していない
  • 業務委託の相手方である事業者

とされています。

いわゆる「ひとり社長」や「一人親方」もフリーランスに該当します。

フリーランス法では発注事業者に対して7つの義務を示しています。

  1. 書面・メール等による取引条件の明示
  2. 報酬支払期日の設定・期日内の支払(60日以内)
  3. 禁止行為
    • 受領拒否、減額、返品、買いたたき、購入・利用強制
      不当な利益の提供の要請、不当な変更ややり直し
  4. 募集情報の的確表示
  5. 育児介護等と業務の両立に対する配慮(6か月以上の業務委託の場合)
  6. ハラスメント対策に係る体制整備
  7. 中途解除等の事前予告・理由開示(6か月以上の業務委託の場合)

一方で、発注事業者は下記の3つに分けられており、対応する義務も異なります。

  • 従業員を使用していない‐ 1 
  • 従業員を使用している‐1、2、4、6
  • 従業員を使用かつ一定以上の期間業務を委託‐1~7

違反行為には50万円以下の罰金といった罰則もあります。

フリーランス法 どちらになるのか?

フリーランス法で示されている発注事業者に対する義務では、

  • 業種や業界
  • 年齢
  • 性別

といった区別がありません。

取引次第では、フリーランスが発注事業者になることもあります。

「働き方改革」が進むことで発注事業者になることもあれば、
業務委託の相手方のフリーランスとなることもあります。

事業者間取引をスムーズに進めるための仕組みとして
「フリーランス法」の理解がおすすめです。

 

蛇足
「フリーランス」から反射的に「ゴルゴ13」を連想してしまいます(笑)。
劇画やハードボイルドを連想しがちがなカテゴリーという私の偏見です。
公正取引委員会サイトでは「BUSON」さんのキャラが前面に出ており、
グッと距離感が縮まります。

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