大人の超入門確定申告Vol.1 所得税
さっぱりわからないから脱皮する!
「納税の義務」も「確定申告」も「所得税」も知っているが
実際にはよくわからない方は多いはずです。
歳を重ねるほど他人には聞きづらくなるかもしれません。
とりあえず知ったかぶりできるほどの超入門がおすすめです。
超入門所得税 わかりにくい背景とは?
「納税の義務」は小中学校と義務教育でも教えられるので、
知りませんでしたとは言いにくい対象です。
他方で、脱税や申告・納税のトラブルは絶えません。
意図的な脱税とは別にして、
- ぶっちゃけ申告ってどうやるの?
- 確定申告って何?
といった初歩的な段階でのつまずきは多いようです。
所得税は、
- 「個人」の ← 会社などの組織ではない
- 毎年1月1日から12月31日までの
- すべての「所得」を
- 当事者が申告・納税する
といった税金です。
大きなツッコミどころは「所得」です。
事業所得であれば、売上ではなく利益に当たります。
- 売上-経費=利益≒所得
所得税法では所得を10区分しています。
利子・配当・不動産・事業・給与・退職金・山林・譲渡・一時・雑所得。
区分の区別も困りものですが、「給与」には「年末調整」がつきものです。
年末調整では、所得税の建前の申告・納税を勤務先が代行します。
給与所得者にとっては確定申告から遠ざかることになります。
超入門所得税 仕組みをザックリ理解する
年末調整で所得税の処理が済んでしまうと、確定申告の機会がない
と思われるかもしれません。
ちょっとした誤解です。
所得税は、すべての所得が対象です。
給与以外に株式や家・土地などの売却による所得があれば、
年末調整をしていても給与と合わせて確定申告の対象です。
基本的にはすべての所得を合算して税額を計算します。
ただし、いきなり所得に税率を掛けるのではなく、
「所得控除(しょとくこうじょ)」と差し引く対象があります。
- (所得-所得控除)✕税率=所得税
所得控除は扶養控除や配偶者控除、生命保険料控除など
給与所得の年末調整で扱う控除もありますが、
- 雑損控除
- 医療費控除
- 寄附金控除
は年末調整では扱わず、確定申告のみで扱います。
超入門所得税 手書き・書面で申告しない!
所得税の確定申告では仕組みなどの知識だけでなく、
申告書の作成が不安・負担となります。
所得の区分も各種の所得控除も年々複雑化しています。
所得税の税率は所得が大きくなるほど高くなる累進課税であり、
配偶者控除などの控除額も変動します。
複雑な計算や転記には確認の過程も手厚くする必要があります。
ますます気が重くなります。
現状、手書き・書面での申告書作成はおすすめできません。
国税庁提供のウェブサービス「確定申告書等作成コーナー」を利用して、
申告書の作成から電子申告まで行います。
作成コーナーはパソコン・スマホで扱えます。
給与所得のみで医療費控除を追加で控除するといった場合であれば、
源泉徴収票と医療費の集計で電子申告がおすすめです。
事業所得や譲渡所得では所得の計算過程が複雑であったり、
消費税の申告とも関連することもあります。
所得控除は基本的には単年分だけに影響します。
他方、小規模企業共済等掛金控除は中長期を想定したり、
雑損控除は3~5年に影響が及びます。
所得税の確定申告を行なうから税理士に相談が必要とは言えませんが、
不安や負擔を感じた際には早めの相談・依頼がおすすめです。
納税の義務はありますが、納税者独りで自力解決が必須ではありません。
税務相談・申告書作成・申告の代行は税理士の業務です。
蛇足
アイキャッチ画像は「おはぎ丸(石川県白山市)」の上生菓子です。
巳年にちなんでいますが表情も食感もやわらかでした。
2025年(令和7年)は乙巳(きのとみ)、私は年男(48歳)です。
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