収入と所得の間がわかりにくい理由とは?
税制度はどこが変わるのか?

「収入」も「所得」も日常使っていることばですが、
区別が曖昧な方が少なくありません。

テキトーに済ませたいところですが、税金が絡むと
そうも言っていられなかったりします。

収入と所得の「間」にアプローチしてみます。

外側だけじゃない!?

間を見える化 抽象的にはカンタン

具体的な説明はわかりやすく、抽象的な説明はわかりにくい
という印象があります。

マニュアルを棒読みされてもピンとこないことでも、
エピソードを交えて説明されるとわかりやすかったりします。

他方、抽象的にはカンタンにみえて、具体的にはピンとこない
といった対象もあります。

たとえば、所得税での「収入」と「所得」の違い。

申告書では縦に収入・所得と並んでいます。

違いがあることを強調している構成ではあるものの、
スッキリしない方が少なくありません。

間を見える化 事業所得と給与所得

「収入」と「所得」の違いでは、

  • 事業経営の場合
    • 収入‐売上など
    • 所得‐利益

といったザックリした理解ができます。

事業での利益が所得となり、所得税の課税対象になる
という点でわかりやすい構成です。

事業所得では、

  • 収入と所得の間に決算書(損益計算書)がある

と補ってみることができます。

これに対して給与所得では、

  • 収入と所得の間に「給与所得控除」がある

とグッと抽象的な構成になります。

事業所得での税務申告では決算書も提出しますが、
給与所得控除は直感的にはわかりにくい対象です。

間を見える化 制度の変更はどこか?

給与所得と給与所得控除を巡っては「サラリーマン税金訴訟」
といった裁判の記録や研究があります。

とはいえ、収入と所得の間の見える化とは距離があります。

税金制度の変更は毎年あります。

所得税は法人税や消費税、相続・贈与税よりも関わる方が多く、
論点も多い税目です。

所得税の仕組みの複雑さに加えて、関わる方が多いことで、
税制度の変更点も多岐にわたりがちです。

給与所得控除の変更もあれば給与所得とは別の所得控除も
同時期に変更されることもあります。

2025年(令和7年)12月以降の年末調整や確定申告では、
前年以前との控除の違いが目立つので留意が必要です。

収入と所得、所得控除の位置づけや金額の違いを知っておくと、
手続きでの混乱対策となります

 

蛇足
アイキャッチ画像はジョアン(金沢市)のモンブランです。
外側だけでも十分ですが、中にもクリームが入っています。
モンブランですが、ケーキではなくパンだったので、
大口で外側と内側のクリームを同時にいただきました(笑)。

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