オリジナルの勘定科目の魅力と制約とは？
形式が無視できない理由とは？

簿記を税務申告や融資申し込みのためだけに利用するのは
本末転倒です。

本来は経営者が経営を管理するための会計手法です。

柔軟な利用も選択肢になりますが、留意点もあります。

オリジナル科目　わかりやすさは大切

複式簿記特有の「仕訳」はとっつきにくい表記スタイルです。

さらに「発生主義」といったお金の動きとは別のとらえ方もあり、
売上関連の処理でさえ複雑に感じられます。

• 売上発生　　(借方)売掛金　(貸方)売上
• 売掛金回収　(借方)お金　　(貸方)売掛金

直感的ではない処理ですが、メリットはあります。

上記の売上と回収の過程では、売掛金を売上時に資産計上して、
回収時点でマイナスすることで未回収分を管理できます。

仕訳の「摘要」に取引先を記帳する方法もあれば、
売掛金に「補助科目」を追加する方法もあります。

売上も同じように「〇〇売上」といったオリジナル科目を設定できます。

複式簿記はガチガチの会計ルールで拘束される印象ですが、
柔軟な運用ができる一面もあります。

オリジナル科目　勘定科目名の柔軟さと制約

勘定科目の名称を経営の都合上変更したり、追加することで
経営の管理の負担が減ることもあります。

たとえば、消費税で簡易課税を選択している場合。

簡易課税では売上高と事業区分に応じて消費税負担が決まるので、
同一事業者でも売上を分けて管理することもあります。

補助科目にはとどまらず、科目名まで分けてしまうことも選択肢です。

会計ソフトで勘定科目の設定さえすれば可能です。

ただし、制約はあります。

勘定科目を設定する区分は明確にしておく必要があります。

〇〇売上といった勘定科目であれば、「損益科目」・「収入」となります。

経費の区分もわかりやすそうです。

他方、「貸借科目」となると分類が怪しくなるかもしれません。

「資産」にも「負債」にもそれぞれ「流動」と「固定」があります。

流動・固定の中でもさらに区分があります。

わかりやすい会計処理、経営に役立つはずの勘定科目を利用しても、
かえって混乱の原因になるかもしれません。

オリジナル科目　形式も大切！

複式簿記の成果である決算書もとっつきにくい印象があります。

損益計算書も貸借対照表もガチガチに形式に沿っている印象です。

〇〇売上も△■売上も売上でまとめられていきます。

反面、決算書は勘定科目を収めるべき区分がカチッとしており、
損益と貸借の混同がなく、期間ごとの比較が可能になります。

オリジナルの勘定科目を柔軟かつ適切に利用できる背景に
カチッとした決算書の形式があることも確認がおすすめです。

損益計算書だけでなく、貸借対照表を見直してみると、
会計処理の利用や効率性も見直すきっかけになります。

 

蛇足
アイキャッチ画像は税務支援時の昼食の肉まん(ファミマ)です。
シンプルな肉まんは好きなのですが、確定申告期が食い収めかな？
と冬の終わりを感じたりします。
どうせなら、もう1個食べておけばよかったかなぁと思ったりも(笑)。

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