消費税インボイス制度って何でつまづく理由とは?
視点や立ち位置をかえてみる!
対応しようという気持ちがあっても、
- 何が問題かわからない
- どこから手をつけていいかわからない
といった状態だと悶々とします。
視点や立ち位置をかえてみるとスッキリできるかもしれません。
インボイスの視点 問題を切り分ける
2023年(令和5年)10月から消費税インボイス制度が始まります。
インボイス登録の期限が9月末に延長されたということもあり、
5月の現状では切迫感は薄い印象です。
とはいえ、そうした状況も実際には二極化しています。
一方では、インボイス制度への対応をぐっと詳細に検討して、
具体的な業務での処理を想定されている場合があります。
また他方では、インボイスって何?という方も…。
経営規模の大小から無関係と決め込んでいるといった
誤解すらあるかもしれません。
前者と後者では大きな温度差があります。
前者であれば、ともかくも具体的な対応段階ですが、
後者の段階では制度開始前後で泡を食うはめになります。
インボイス対応といっても問題を切り分けて、
この記事では後者に焦点を当てます。
インボイスの視点 取引先の目線でとらえる
消費税の課税事業者にとってインボイス制度の理解は
それほど厄介ではないはずです。
- (消費税の納税額)=(受け取った消費税)-(支払った消費税)
といった理解があれば、
- インボイス制度は「支払った消費税」が焦点
といった制度変更の重要性がわかります。
課税事業者にとってはインボイス制度開始後も、
- 現状と同じように「支払った消費税」分を差し引きたい
- 消費税の納税額を抑えたい
とストレートな理解につながります。
インボイス制度開始以前の段階でも理解の素地があります。
対照的に、免税事業者にとっての「支払った消費税」分は、
- 経費の一部でしかなく
- 消費税の納税負担と結びつかない
と取り付く島もない状況です。
免税事業者だから無理解になるわけではありません。
課税事業者と免税事業者では消費税のとらえ方が違う、
視点や立ち位置が異なる現状があります。
インボイス制度の開始は、
- 免税事業者も課税事業者目線にシフト
といった対応を求めることになります。
留意したいのは、必ず免税事業者が課税事業者になる
というわけではありません。
免税事業者が課税事業者と取引する場合での
消費税インボイス制度への対応のとり方です。
インボイスの視点 検討過程を整理する
免税事業者はインボイス登録をするかどうかを
検討する必要があります。
ただし、インボイス対応をめぐっての検討は、
インボイス制度開始以前だけとは限りません。
事業を継続するなかで、取引先の変化に応じて
対応を変えていく可能性もあります。
インボイス対応するか否かといった判断だけでなく、
- 判断に至った検討過程の整理
といった段階も残していく必要があります。
消費税のインボイス制度とはいっても税金だけでなく、
売上の取引先と関連した制度です。
免税事業者であっても、課税事業者目線での検討がおすすめです。
蛇足
インボイス制度と並行して「改正電子帳簿保存法」も
対応課題の俎上に載ってきています。
マンガやゲームなら「ラスボス」を倒せばエンディング
となるんですが(笑)。
事業の前提がエンドレスだからこそ課題もある
と割り切るしかありませんね。
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