香典の会計処理で慌てないための準備とは?
簿記の資格も経理経験も不要です!
会計処理の印象は事務処理だけど技術的・専門的な印象です。
簿記の資格や会計ソフトの運用とも関連しそうなので、
とっつきにくいかもしれません。
とはいえ、身内でなんとかしなきゃいけない会計処理もあります。
いざというときに慌てないためのおすすめです。
香典の会計 非日常的なお金のDIY
会計処理といえば、通常は事業と関連した処理を指します。
複式簿記や会計ソフト、会計基準、税法が関連するため、
技術的・専門的な処理となります。
一方で、DIY(Do It Yourself)と自分でやる会計処理もあります。
家計簿が典型的な例です。
単式簿記、収入と支出を網羅した集計さえできれば、
様式やツールにこだわる必要はありません。
DIYでの会計処理では「香典」の管理も該当します。
親族の葬儀で集まった香典は通常は喪主や親族で管理します。
親族が少なくなってくると、香典の会計処理を担当する
といった可能性もあります。
香典の会計 慌てないための準備
香典の会計処理といっても慌てることはありません。
複式簿記や会計ソフト、経理経験も不要です。
基本的には、参列者から受け取った香典を記帳して、
集計、確認。管理をすることになります。
■ツール
- 香典管理簿 ← 手書き又はExcel・Googleスプレッドシート
- パソコン、電卓や筆記具
香典管理簿は葬儀社や葬祭会館で準備していることもあります。
通夜と告別式別に分けておく、連番(ナンバリング)もしておきます。
「香典 テンプレート」で検索するとウェブから管理簿を入手できます。
■役割分担
- 香典の金額を確認、記帳、集計、チェックの担当を決める
香典は多額の現金を扱うことになるので、ワンオペではなく、
複数で担当することがトラブル回避につながります。
■記帳内容
- 参列者名
- 金額
会計処理では日付・金額・相手方・勘定科目・取引内容が必要ですが、
香典であれば上記の2つが最低限必要と言えます。
上記以外にもデータを加えておくことがおすすめです。
- 連番
- 通夜と告別式の別
- 亡くなった方と参列者との関係
データの追加や集計、フィルタリングではパソコンでの処理が有効です。
下記はExcelで作成した場合の一例です。
■会計処理後の管理
- 喪主など特定の親族に香典と管理簿を渡します
- 葬祭会館などに貸金庫がある場合は施錠して管理します
香典の会計処理は普段扱うことはない対象ですが、処理の内容はシンプルです。
香典の会計 税金はかかるのか?
香典は税金の対象になるのか?、と不安があるかもしれません。
相続と関連しそうですが、香典は亡くなった方の財産ではないので、
相続税の対象にはなりません。
香典は遺族(相続人)への贈与ではありますが、通常課税は生じません。
一方、「社会通念上相当と認められるもの」ではない多額の香典の場合
課税の対象になる可能性もあるので留意が必要です。
香典の会計に関わる機会は少なく、非日常的な対応となります。
とはいえ、一般には複雑で専門的な対応が必要なわけではありません。
喪主・親族間での円滑なやりとりで済ませることがおすすめです。
蛇足
お寺や葬祭会館で香典の管理をする際に、「千枚通し」もあったりします。
香典袋の端に穴を開けて、糸を通して管理するために利用します。
事業会計とは異なる会計処理の一例かもしれません。
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