節税もどきとのつきあい方とは? 決算直前に慌てないために

ニャー!(時間が無い!)


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節税もどき 決算期で慌ててしまう理由

個人でも法人でも決算申告は事業上の重要なイベントです。

経営成績や状況が確定するだけでなく、次期以降の
納税、借入(融資)、投資の計画を左右します。

決算以前より赤字が見込まれ、借入も予定していない状況ならば、
粛々と決算処理を進めることになります。

これに対して、決算直前になって慌てて節税対策をとるケースもあります。

決算直前に慌てて節税対策をとる理由は、
・決算直前に予想外に売上があった
・事業見通しを立てていなかった
・経理処理が遅れており、損益の把握が不透明だった
といった原因が考えられます。

節税対策を経営上あらかじめとっていなかった、ともいえます。

節税というと税金だけを思い浮かべがちですが、
経営全体の資金繰りでの追加負担となるので切実です。

節税もどき 繰り延べと流出

経営の資金繰りという観点から節税対策は必要です。

とはいえ、節税もどきの利用には注意が必要です。

節税もどきとは、一見短期的には税負担は減るが、
お金が手元から流出
実態は課税の繰り延べ(先送り)
といった結果となる処置です。

たとえば、決算直前になって少額の固定資産や消耗品を購入する
といったことがあげられます。

購入の前倒しというよりも、節税を名目にルーズなお金の使い方と
なりやすい問題がでてきます。

また、保険を利用した節税なども一旦は経費(損金)に計上して節税効果がありますが、
保険を解約したときには、収益(益金)となり課税の対象になります。

短期的には節税にみえますが、実態は将来への課税の繰り延べです。

節税もどきは、決算直後の納税負担には助けになりますが、
次期以降の経営へのプラスの効果は曖昧です。

節税もどき 次期の計画と経営を支える節税へ

節税もどきといっても、短期的には節税効果があります。

とはいえ、節税もどきは中長期の経営を考えた対策ではありません。

場当たり的な対応ではなく、経営へのプラスを見込むのであれば、
・次期以降の経営計画の作成
・日々、月次での経営管理
・節税だけでなく、投資計画や融資対策
といった観点が欠かせません。

節税を通じて結果として経営をサポートすることはあっても、
節税自体が目的化してしまうことは避けたいところです。

節税もどきを利用する際には、他に選択肢がなかったか?
という検討がおすすめです。

 

蛇足
保険を利用した節税はいたちごっこが続いています。

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