法人税・所得税と消費税の処理一体化のメリットはあるのか?
似ているようでまったく違う仕組みを知ると、
ちょっと立ち止まってしまいます。
散歩中にふと立ち止まって撮影
消費税も一体化? 申告後のご相談
2021年(令和3年)分の確定申告も3月15日に無事終了。
(2022年令和4年4月15日まで事実上の延長ですが(笑))
確定申告が終わって、すっかり気が抜けたところで
お問い合わせがありました。
気が抜けていたので、内容を聞く以前に冷や汗が出ました(笑)。
お尋ねを整理すると、
- 経営者の申告での車両売却での処理で、
- 車両売却益が丸ごと所得税の対象なのに、
- 売却にかかる消費税は家事按分するのか?
といった内容でした。
私からの回答をまとめると、
- 事業者の所得税であっても、所得はすべて区分ごとに課税される
- 消費税での課税計算は事業分に係る
といった内容でした。
丁寧に応えたつもりでしたが、木で鼻を括(くく)られた印象
だったかもしれません。
消費税も一体化? 消費税≠VAT
所得税と消費税の仕組みは別物です、というと
消費税の申告と無縁な方だと納得(スルー?)しそうです。
一方、事業所得があり消費税の申告もしている方であると
上記のような疑問を持つのかもしれません。
2023年(令和5年)10月より消費税のインボイス制度が始まります。
まだまだ先の印象ですが、私の所属している北陸税理士会では、
3月・4月とインボイス関連の研修があります。
(秋にも研修が予定されています)
3月の研修では、講師より興味深いお話がありました。
ヨーロッパ(ドイツ)での消費税の申告では、
- インボイス制度を背景に
- 法人税・所得税と消費税の処理を分けて
- 消費税の申告は月ごとや四半期ごとに
- 法人税・所得税と別の税理士が行なっている
法人税・所得税と消費税が別物であるというだけでなく、
日本の消費税とヨーロッパのVAT(Value Added Tax、付加価値税)との違いが
はっきりする一面のお話でした。
消費税も一体化? メリットは条件付き
日本では、一般的に税務会計サービスでは、
- 会計(帳簿~決算)
- 法人税・所得税申告書
- 消費税申告書
といった処理は一人の税理士が応対します。
ワンオペ(ワン・オペレーション)です(笑)。
悪くいえば分業化が進んでないともいえますが、
良くいえば事業全体を把握する立場から応対できます。
とはいえ、事業全体を把握する立場からの応対は
無条件のメリットとはいきません。
正確な処理を心掛けても、一度に処理が集中したり、
事後的な申告書作成に業務が集中すると、
申告期限の順守に追われます。
顧問の立場から税理士を活用されるのであれば、
処理の適時性(ため込まない!)が欠かせません。
蛇足
税金は世界各国にありますが、似ているような仕組みでも
申告書作成という舞台裏からみると別物ですね。
外国の税理士や会計士が発行している請求書って
どんな請求内容や金額なんでしょうか?
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