税務リスクは定番化している!?
令和6事務年度所得税及び消費税調査等の状況を読解
「税務調査」からは「怖い」ということばが連想されます。
「マルサの女」の遺した成果かもしれません(笑)。
他方、強さと裏腹の調査結果が続いている印象もあります。

こちらは変化無し!?
定番のリスク こちらは変化無し!?
2025年(令和7年)はAIの進展が連日続きました。
サービスを提供する企業側での開発の進展だけでなく、
非エンジニアでの利用も広がっています。
私の従事している税理士業、税務会計業でもAIの利用は
業務の効率化や改善に役立っています。
立場は異なりますが、課税当局でもAIの利用が始まっています。
税務調査でもAIの利用による成果が報告されています。
(税務調査でのAI活用は脅威なのか?)
他方、AIを利用しているといってもそれほど変化がないのでは?
といった税務調査の状況もみられます。
定番のリスク 変化の無い脅威!?
「令和6事務年度所得税及び消費税調査等の状況」が公表されました。
法人税の調査とは異なり、形式・様式面での変化はみられません。
それどころか、うっかり眺めていると内容でも変化が無い
と記憶に残らないかもしれません。
確かに報告の構成や内容では前年と似通っています。
しかし、見方を変えれば、
- 税務リスクが定番化しているのでないか!?
という懸念が強まります。
たとえば、所得税の申告漏れ。
件数でも金額でも大きな変化がありません。
消費税での不正な還付も依然として続いています。
「調査の状況」に前年以前からの大きな変化がない印象も納得
といった調査結果とも言えます。
定番のリスク リスク対応は変えられる!
「調査の状況」を読むと税務リスクに変化がない、定番化している
といった印象を受けます。
間違いではないとはいえ、早計な印象論かもしれません。
譲渡所得の申告であれば、
- 取引金額が大きく目立ちやすい
- 各種の特例があり、要件の確認が必須
消費税の還付申告であれば、
- 簡易課税ではなく本則課税の適用ができているか?
- 還付申告は通常の申告より調査の対象になりやすい
といった対応が定石です。
定番の税務リスクには定番の確認対象もあります。
取引段階や計画段階から税務リスクへの備えは可能です。
変化の無い定番の税務リスクだから対策が不要・不可能ではなく、
事前の対策が効果を発揮します。
蛇足
税金に関連したドラマは2026年(令和8年)に放映予定のようです。

「マルサ(国税局査察部)」をしのぐ「資料調査課」が舞台です。
「コメ」が強調されるので、いつの時代のドラマだったか
印象に残りそうです。
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