一次相続の経験は二次相続に活かせるか?
二次相続対策の前に振り返る!
経験を活かすことで対策につながることもありますが、
相続では必ずしも当てはまらないこともあります。
相続は始まりや想定状況が繊細な課題です。
どんな問題があるか知っておくことも有益です。
終了後はニ次 ホッとしつつも…
税務申告の手続きでは、納税金額の負担の実感とは別にして、
申告完了による安堵感が欠かせません。
納税の義務も無申告によるペナルティも心理的には負担です。
申告手続きのゴールが見えるとホッとします。
とりわけ、相続税は長い人生でも滅多にない申告となります。
相続の開始や相続人間での遺産分割協議、申告・納税の完了がみえてくると
安堵感が強まります。
一方で、相続手続きを経験したことで、次の相続を想定する、
二次相続が想定の範囲に入ってくるかもしれません。
終了後はニ次 経験が活かせるか?
所得税や法人税、消費税といった税目での申告も容易ではありませんが、
毎年繰り返して申告することで経験を活かせます。
他方、相続税は経験が活かしにくい税目と言えます。
制度や経済環境が変化するといった点は他の税目とも共通しますが、
- 相続人
- 利用できる特例
といった点での変化が大きく結果を左右します。
当初の相続、いわゆる一次相続で夫婦のどちらかが亡くなった場合、
- 相続人:配偶者・子 → 基礎控除‐大
- 利用できる特例:配偶者の税負担軽減、小規模宅地の特例
と税負担が見込めます。
相続人といっても、兄弟姉妹だけでなく、存命の配偶者である親もいます。
存命の配偶者である親が亡くなった後の二次相続では様相が大きく変化します。
- 相続人:子、孫? → 基礎控除‐小?
- 利用できる特例:?
老老相続、高齢社会といっても相続人が一次相続時の想定と異なる
という可能性はあります。
一次相続と二次相続では相続人が異なり、基礎控除も少なくなる
可能性も検討課題となります。
また、小規模宅地の特例も家族の形態次第では適用できないかもしれません。
一次相続と二次相続は関連しつつも、別途検討する必要があります。
終了後はニ次 一次相続を振り返る
相続は家族内での遺産分割とはいえ、利害が錯綜します。
分割協議が成立しても、必ずしも円満に相続が完了していないこともあります。
一次相続では問題を一旦棚上げして、二次相続で解決することも
選択肢の一つです。
反面、問題の棚上げが自動的な解決に向かうわけではありません。
むしろ、一次相続での結果、二次相続での課題があきらかになった、
対策の必要性がみえてきます。
相続の課題は税負担だけではありません。
税理士だけでなく、弁護士のサポートも有効になることがあります。
生前の贈与や遺言書の作成なども対策となります。
二次相続は税負担での軽減の可能性は狭くなるかもしれませんが、
課題を把握して対策の必要性を実感できる一面もあります。
一次相続の完了を折り込みつつ、二次相続に目を向けることになります。
経験の活かしにくい相続対策ですが、準備の必要性は実感できているはずです。
蛇足
2024年(令和6年)6月半ばの石川県は真夏日を記録しています。
水害はゴメンですが、猛暑もお手上げですね(´・_・`)
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