会社の経理が個人事業より難しい理由とは?
制度の制約か、活用の魅力か?

法人税は法人の「事業」の「所得」に対する税金です。

所得税には「事業」からの「所得」分類があります。

似ている、近しい関係の税目です。

一方で、処理の難度は法人がグッと上がります。

理不尽なようですが、背景を知っておくと見通しが良くなります。

カメラ目線のネコ

会社の経理 社長とは呼ぶけれど…

税理士業は単発の相続税業務を別にすると、事業経営者がメイン
といったことが一般的です。

事業の経営も「個人事業主」と「法人」に分かれますが、
経営者を「社長」とお呼びする機会がよくあります。

法人と言っても株式会社だけでなく、合同会社や有限会社、
合資会社と分かれます。

とはいえ、「代表取締役」や「代表社員」では収まりが悪いので、
「社長」で一括りにしていたりします。

経営の責務を担う点では。個人でも法人でも共通します。

他方、経理や税務処理となると個人と法人では差異があります。

会社の経理 形式と体感のズレ

「個人」事業と一口に言っても業種や業態、規模はバラバラです。

一方で、個人事業主では、

  • 簡易な経理の選択肢がある
  • 事業主の「所得」はあるが、「給与」はない
  • 事業と個人のサイフが混在しがち
  • 登記の手続きはない etc

といった共通する面があります。

ポジティブにみれば経理処理で融通が利きます。

これに対して、会社といった法人は、

  • 法人と個人のサイフは別物!

という点が強調されます。

うっかり事業資金でプライベートの買い物をした場合、
個人事業では生活費関連と同様の処理となります。

  • (借方)事業主貸 (貸方)お金

法人でもプライベート分の支出を損益には反映させませんが、

  • (借方)役員貸付金 (借方)お金

と法人が個人に請求する対象になります。

経営規模に関わらず、法人では経営者も「役員報酬」と
個人の収入に対して制約があります。

個人事業でありがちな事業と個人のサイフの混在を放置しない
仕組みが強化されるわけです。

会社の経理 カチッとできる?

法人の経営では、個人事業に比べてカチッとした経理が要求されます。

税法や会社法からの制約を強く感じる面が増えます。

信用力の向上や経営の強化、節税策の利用という魅力の裏返し
とも言えます。

法人の経営では、制度上の利点を活かすための裏付けとなる
経理が要求されます

個人事業からの「法人成り」は魅力のある選択肢です。

とはいえ、法人に成ったから自動的に経理がカチッとする
とは言えません

制度上の利点を活かす選択は魅力ですが、制約もあります。

「社長」だけで経理を続けることは負担になります。

法人経営の魅力を引き出すためには適切な税務会計の処理が必要です

外部のサポーターである税理士への依頼がおすすめとなります。

 

蛇足
アイキャッチ画像は散歩中に出会ったネコです。
スマホのカメラを向けても逃げずにじっとしていました。
表情は警戒の様相でしたが(笑)。

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