うち、もうかってるの?

はにゃ??

うち、もうかってるの? なぜ私に聞くのか

会計事務所に勤務し始めた当初は、与えられた資料の入力業務でした。

入所から3か月ほど経つと、徐々にお客様先に訪問しての仕事になります。
資料を回収するだけの訪問先(処理は事務所)もあれば、訪問先で処理を行うケースもあります。

直接お客様先に訪問することで、経営者の方ともお話しする機会が増えます。

さて、そうした仕事を進めるなかで、私が驚いたお客様からの問い合わせが、「うち、もうかってるの?」でした。

昨日今日創業した、いわゆる駆け出しの経営者ではなく、世慣れたはずの経営者に面と向かって聞かれて、衝撃を受けました。

うち、もうかってるの? お金と会計と税法の三つ巴

特定の経営者だけでなく、多くの経営者の方が、会計事務所からの決算書や申告書と自分の実感との差異を感じられているようです。

日々の(会計でいう「期中(きちゅう)」)の取引は、売掛や買掛があってもお金(現金・預金)で決済しています。

経営が続くかどうかの分かれ目は、支払や返済ができるかどうかなので、経営者の方も敏感に反応されます。

その一方で、会計上の損益になると、発生主義が入り込んできます。
減価償却費や引当金など、お金を直接動かさないが、経営成績を左右する要因になります。

さらに税務申告は、会計での処理をもとに税法での調整を加えて、処理を進めます。
(「確定決算主義」といいます。会計処理が税務処理をおんぶするイメージです。)

税務会計の専門家以外には、お金のやりとり・会計の処理・税務申告と異なる情報が三つ巴の印象です。

キャッシュフローと会計上の損益と税負担が、それぞれ別物というのは特殊な視点ともいえます。

うち、もうかってるの? もうかるの交通整理

「うち、もうかってるの?」という経営者の方の問い合わせは、不安の表れです。

問い合わせの不安の裏を探ってみると、以下のように言い換えられるかもしれません。
・資金繰りに問題はないか
・融資がうけられるか
・もっと節税できないか

とくに決算を前にすると、「うち、もうかってるの?」と聞かれがちです。

お金・会計・税負担との違いを分けて、お伝えしたいところです。
とはいえ、直感的には理解しづらいのが税務会計の処理です。

私が、いわゆる丸投げに否定的なのは、「うち、もうかってるの?」という経営者の方の不安を払拭する機会が無いからです。

「うち、もうかってるの?」という問い合わせが出ないようにするには、時間もコミュニケーションも必要です。

 

蛇足
驚いても、表情に出さないスキルも必要です(笑)。

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