税務調査でスルーされているのは誤解!?
令和5事務年度所得税及び消費税調査等の状況を読解
学生の頃、教室で先生に当てられない策はないものか?
と思案していた記憶があります。
ちゃんと勉強しておくことが最善手だったはずですが(笑)。
大人になったらなったで、似たような空回りをしているかも?
スルーの誤解 申告期前の予告
映画でもドラマでも漫画でも予告には引っぱられます。
展開の予想がついていてもアレヤコレヤと想像してしまいます。
楽しい想像ばかりではありません。
たとえば、税務調査。
ドキドキはあっても、ワクワクはしません(笑)。
私は仕事上のやりとりをメール中心で行っているので、
税務署からの電話着信だけでゲンナリしてしまいます(笑)。
毎年のことですが、国税庁より個人を対象にした
- 令和5事務年度初冬及び消費税調査等の状況
といった報告が公開されました。
スルーの誤解 その他からの昇格!?
「調査等の状況」は簡潔な報告ですが、税務調査の傾向がわかります。
まずは統計データ。
「簡易な接触」とされる電話などでの申告への問い合わせや申告漏れも
全国1年間では55万件以上、4,400億円以上となっています。
消費税でも「簡易な接触」が行われており、63億円の申告漏れがあったようです。
2023年(令和5年)10月からは消費税インボイス制度が開始されて
課税事業者が増加しました。
「調査等の状況」にはインボイスの「イ」の字も出ていませんが、
申告に影響があったのかもしれません。
「調査等の状況」の「トピックス」は当局が重視している項目です。
シェアリングエコノミーや暗号資産取引にも注目されています。
定番の調査対象だけでなく、現状に合わせた調査がされているわけです。
「調査等の状況」の末尾に申告漏れ業種のワーストランキングがあります。
毎年お見かけする業種もあれば、新顔もみられます。
掲載以前に税務調査がされていなかったというわけではありません。
業種の表記を細分化されるほど目立った対象とみられます。
税務調査で当局に注目していただきと願う業種はたぶん無く(笑)、
税務調査の結果、目立つ業種が出てくるわけです。
スルーの誤解 注目以前から始まっている!
税務調査で注目はされたくはありません。
他方、注目をされないための対策を考えるのは残念です。
当局に注目されるかどうか、業種での申告の傾向とは関係なく
税務申告の準備・対策を進めるべきです。
無申告の状態では税務調査への対策どころではなく、
申告していても残念な内容もあります。
「調査等の状況」を他人事と割り切ってみていられる間に
不安のない申告の準備がおすすめとなります。
蛇足
アイキャッチ画像は散歩中に撮影しました。
晩秋から初冬への一枚になりそうです。
次に撮影するときは雪景色かもしれませんね。
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