これって生活用動産なので申告不要か?
抽象化や分類が必要な理由とは?
年末になってくると、待ってましたと言わんばかりに
事細かな税務相談が増えます。
個別具体的な判断や対応が必要にはなるものの、
一歩引いた目線も有効になります。
これって? あれもこれも?
事業の都合で定期的に税務会計での面談しているお客様であれば、
疑問点がある都度、お問い合わせいただいています。
疑問を抱え続けることも負担なので、早めの解決が有効になります。
他方、普段は税理士と接点がない方の場合、
- 見て見ぬふりをする
- ウェブや本で調べる
- 何らかの機会に一挙に問い合わせる(笑)
といった選択肢があるようです。
秋から冬にかけての税務相談会なども「何らかの機会」なので、
年初からの疑問を一挙に持ち込む方がみられます。
これって? 生活用動産と税金
事業をされていない方であっても家や土地、株式の売却であれば
所得税の負担があることは予想できます。
他方、不動産や金融資産といった高額での取引とは異なり、
生活に身近なものの売却との税負担はわかりにくい印象です。
当事者目線では、具体的な売却した対象が気がかりとなります。
個別の売却対象を把握しておくことは大切ですが、
「生活用動産」という分類の理解がおすすめです。
生活用動産とは、
- 家具、じゅう器、通勤用の自動車、衣服など
- 「通常」は売却しても所得税(譲渡所得)が課税されない
といった「生活に必要な」動産です。
リサイクルショップや車の下取りでの売却に税金がかからない
といった理解で済みそうです。
一方で、「通常」や「生活に必要な」といった文言が曲者です(笑)。
例外、税金の申告や負担を連想する必要があります。
生活用動産といっても、
- 貴金属や宝石、書画、骨とうなどで
- 1個または1組の価額が30万円を超えるものの譲渡
という場合は申告の対象となります。
仕事や生活用の車ではなく、趣味で所有している高級車などの売却は
申告や税金の負担を想定することになります。
これって? 抽象化と分類
税金の仕組みは公平・中立・簡素を目指しているとは言うものの、
現実には複雑です(泣)。
取引に対する課税上の問題には一つ一つ判断が必要です。
一方で、個別の問題に飲み込まれないように抽象化や分類が有効です。
生活用動産はとっつきにくい印象がありますが、理解しておけば、
個別の問題に振り回されずに済みます。
生活用動産の売却と所得税の関連では、
- 特定のプラットフォームの利用ではなく、
- 事業性に着目しておく
といった抽象的な留意点もあります。
「メルカリ」での売却だから所得税の対象外…?、ではなく、
取引の継続などの事業性が判断の基準となります。
具体的な問題と抽象化して分類した見方があることがわかると、
判断の見通しが立てやすくなります。
蛇足
アイキャッチ画像は出先の公園で撮影しました。
寒さが強まると乾いた落ち葉が一気に増えます。
タンポポがみられる時期もあとわずかでしょうね。
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