月次決算の確認が難しく感じられる理由とは?
わからないからこそ必要です!
「月次(げつじ)」は1か月を単位としています。
1年間を対象とした「年次」の1/12でしかありません。
一方で、月次決算の確認が難しいと感じられる
といった経営者もみられます。
矛盾を生じさせないための理解が必要です。
月次が難解 年次はカンタンか?
新たにサポートすることになったお客様との定期面談では、
「月次」決算の確認をしていただくこともあります。
適正な会計処理を行うことに限定するだけでなく、
経営の状況や想定との相違も確認していただきます。
「年次」決算に比べて対象期間は1か月ごとであり、
記憶にも新しいはずなのでサクッと済みそうです。
とはいえ、月次決算と向かい合った経営者では、
- ???、よくわかんないんだけど?
と困惑されることもあります。
年次決算の結果については、
- だいたい想定通り
- まあ、こんなもんだな
と言っている方でも、月次となると勝手が違うようです。
1年間という長丁場は、記憶も曖昧になることもあり、
比較や検証する対象も増えます。
にも関わらず、年次決算より月次決算がわかりにくい
と矛盾した応えが返ってくることがあります。
月次が難解 わからないから必要!
月次決算がわかりにくい理由として、
- 業績の途中経過であること
といったことがあげられます。
年次決算でしか業績を管理・確認していなかった場合、
途中経過での確認に戸惑われるようです。
不動産など収入や経費が固定的な事業を除くと、
収入や仕入・経費には変動があります。
- 季節による変動
- 業界の取引・商習慣による変動
- 経済環境の外部要因による変動
- 取引先の動向に左右される変動
当年度の月次決算だけをみても、評価が定まりません。
前年以前のデータや計画・想定など比較対象が必要です。
また、決済に着目した現金主義と取引を反映させる発生・実現主義とは
合致しません。
現金主義での発想に偏ると、月次決算での確認がわかりにくなります。
会計処理の理解も補う必要があります。
月次決算で何を・どのように確認するのかわからない
という方だからこそやるべき理由があります。
月次が難解 会計ソフトだけでは足りない!
会見ソフトは会計処理の効率上有効なツールです。
月次でも年次決算でも、会計処理の有効なツールではあっても、
業績の管理や理解にとって最善のツールとは言えません。
業績の管理と一口に言っても、
- 過年度との比較
- 予定・計画との比較
- 部門別での比較
- 移動年計による管理 etc
と会計ソフトの利用だけでは充分にフォローできないこともあります。
Excelなどにツールを切り替えることが妥当かつ効率的な選択となります。
月次決算は義務でも必須でもありません。
とはいえ、「困難は分割せよ」は問題解決の定石です。
月次決算がわかりにくいと感じる場合には、知識や理解の不足、
これまでできていなかった選択があります。
年次決算で慌てないためにも、月次決算での管理がおすすめです。
蛇足
アイキャッチ画像は散歩中に見かけた「更紗ウツギ」です。
花びらの外側と内側で色が異なっており、特徴があります。
「更紗」は木綿を染めた布製品のことだそうです。
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