相続の話し合いでは同じことばを使う!
坪・反・俵のイメージと金額

相続の話し合いはどこかしらギクシャクしがちです。

ことばの理解から歩み寄るアプローチもあります。

集落営農での新米で栗ご飯

同じことば 相続での繊細な事情

ストレスを感じる定番の表現に「話が噛み合わない」があります。

外国語であれば端から諦めもつきます。

同じ日本語を使っているはずなのに話が噛み合わないと
イライラとしたストレスは増す一方となります。

とりわけ、「相続」は「開始」時点が繊細な状況でもあり、
話がスムーズに進まないことが多々あります。

ことばのやりとりでギクシャクした状態に陥ることがあります。

想定されている被相続人と相続人が同じことばを同じ目線で使う
といったことも必要になります。

同じことば 坪・反・俵と金額

私は石川県加賀地方で税理士業を営んでいます。

相続では「田」や「畑」が定番の財産として登場します。

相続財産としては「評価」と「遺産分割」が関心事となりますが、
被相続人と相続人間で話が噛み合っていないこともあります。

原因の一つに使っていることばの理解やイメージの相違があります。

通常、不動産の評価で使われる単位は日常と隔たりがありません。

  • 円、千円
  • 平方メートル(㎡)

「田」といっても、申告書には上記の単位で記載します。

とはいえ、現実には上記以外の単位が話の中で登場します。

  • 「坪」:3,3㎡
  • たん」:1,000㎡=10aアール(1a=10m✕10m)
  • ひょう」:60kg

昭和の時代どころか、江戸時代でも通用しそうな単位です(笑)。

高齢の世代だから使っている単位ではないことに留意が必要です。

農業分野では上記の単位は今も現役で使われています。

広さや量としての単位だけが使われているわけではなく、
お金の話ともむすびつきます。

たとえば、お米の収量。

2023年(令和5年)北陸三県(石川・富山・福井県)のお米の平均収量は
以下の通りでした。

  • 10a当たり514kg

「10a」は一見するとわかりにくい単位にみえますが、
「反」や「俵」で換算してみると簡潔な印象です。

  • 反収8.5俵

農林水産省が発表している米の取引価格にも「俵」の影響が見られます。

同じことば 中長期で取り組むための歩み寄り

相続財産では、

  • お金 > その他の財団
  • 例外:収益性のある財産

といった相続人目線での優先順位が一般的です。

「田」や「畑」はそうした優先順位では劣後しがちです。

現状、地方の「田」や「畑」のスカッとした相続は難しい
といった状況があります。

相続開始後の短期間で折り合いがつくとは言い切れません。

中長期での検討や話し合いが必要となります。

そうしたときには、ことばの使い方から歩み寄る
といったアプローチもあります。

同じことばを使ってみることで、印象の受け方が変わるはずです。

 

蛇足
アイキャッチ画像は実家の栗で作った栗ご飯です。
お米は町内で運営している「集落営農」で栽培されたものです。
実家は石川県加賀地方の山間部にあります。
個人でコンバインを所有している家庭はすっかりみかけなくなりました。

蛇足2
茶碗1杯分≒1/3合≒50g(炊飯前)とすると、お米は安い野菜です。
 (1合≒180ml≒150gで換算)

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