マルサの報告は他人事だから読み流す!?
令和6年度「査察の概要」

中高年以上の方にとって健康診断の結果の確認は
必ずしも気楽にできないかもしれません(笑)。

自分が当事者が要検査の対象になるかもしれないので。

当事者になるはずがない状況という確信があるからこそ、
シビアなマルサの報告が読めるはずです。

はずですよね?(笑)。

今年も定番のスタイル

査察は他人事? 地味な発信だけか?

情報発信は企業だけが力を入れているとは言えません。

官公庁は一律とは言えませんが、情報発信に力を入れています。

新しい制度の告知や世間で注目されている対象だけでなく、
組織活動の報告もあります。

官公庁の組織活動の報告というと地味な印象ですが、
毎年興味深く拝見している報告もあります。

たとえば、国税庁の「査察の概要」。

毎年6月中旬に定番のスタイルで公表されています。

いわゆる「マルサ」からの報告です。

査察は他人事? 定番を定期的に確認

2025年(令和7年)6月に令和6年度の「査察の概要」が公表されました。
 (「査察の概要 国税庁」で検索)

A4で10ページにも満たず、詳細は書かれていないながらも
課税当局と悪質な脱税の動向を垣間見られる資料です。

構成は毎年定型化されています。

  1. 査察の概要
  2. 重点事案への取組
    • 消費税・無申告・国際・その他の事案
  3. 不正資金の留保・費消状況及び隠匿場所
    • どこに隠して、何に使ったか?
  4. 査察事件の一審判決の状況
    • 有罪判決、実刑判決への言及
  5. 参考資料
    • 査察の件数や税目ごとの脱税額

税法に詳しくない方でも査察の対象のスジの悪さはわかります。

たとえば、無申告の事案。

あるいは脱税で溜め込んだお金の使い途(みち)。

マルサどころかタレコミの対象になりそうなほど定番の内容です。

お金を隠す場所も定番化の域を出ません。

呆れながら読み流せますね。

査察は他人事? 申告税だから心配!?

「査察の概要」では露骨に当事者を表記してはいませんが、
ピンとくる事案もみられます。

たとえば、下記の事案。

全国的にはピンとこない事案ですが、2024年(令和6年)石川県では
地元の新聞・ニュースでも取り上げられた横領事件が想起できます。

とはいえ、1億数千万円の横領に絡んだ査察の事案は他人事です。

「査察の概要」は冷汗を流しながらではなく、気楽に読めるはずです。

はずです(笑)。

「査察の概要」を熟読しても役には立たないはずです。

はずです(笑)。

所得税・法人税・消費税・相続贈与税の申告は楽ではありませんが、
悪質な脱税での査察を心配することとセットではありません

適切かつ納税者に有利な選択での申告は両立します

適切な方向性での判断と裏付けが必要となりますが、
税理士のサポートで不安や負担は抑えられます。

「査察の概要」を気楽に読み流せる選択がおすすめです。

 

蛇足
告発事案の一審判決での有罪率が100%をキープしています。

実刑判決の人数が増加傾向という点でも今後の展開が気になりますね。

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