相続での相談では話を噛み合わせて進める!
前提の解像度を上げておく!
法律の問題で困ったら専門家に相談するは定石ですが、
必ずしもスッキリ解決するとは言えません。
なんだかギクシャクして話が噛み合わないことも…
専門家の出方を待たない対策がおすすめです。
噛み合わせる 合同研修に参加
税理士業は一般に冬から春にかけてが繁忙期とされます。
冬の年末調整、年明けからの法定調書等に確定申告があり、
春には法人の3月決算が続きます。
一方、夏から秋口は研修会がリアルでもウェブでも盛んです。
先日、金沢市で開催された弁護士と税理士の合同研修に参加しました。
石川県内の弁護士・税理士約30人が参加していました。
テーマは相続放棄、グループに分かれて検討が行われました。
噛み合わせる お互いに???
弁護士も税理士も「士業」ではあっても、接点は多くありません。
相続、相続放棄といったテーマに限定していたわけですが、
必ずしも課題が重なるとは言えない一面がみられました。
むしろ、定番の課題ですら噛み合わないことがわかったりと、
新鮮な驚きを確認した面もありました。
たとえば、相続税負担を軽減する「小規模宅地等の特例」。
財産評価を下げることで税負担を下げることができますが、
- 「小規模宅地?。特例?、何ですかそれっ!?」
と想定外の質問を弁護士さんより尋ねられたり…
他方、私(税理士)は私で、
- 清算?、破産?、仕事の進め方に違いがあるんですか?
と話が先に進まない質問をしたり…
弁護士も税理士も「相続」という大枠では関連しますが、
お互いに「?」を連発していたようでした。
噛み合わせる 前提の解像度を上げておく!
相続の当事者になる機会は多くありません。
相続に直面したからといってトラブルがあるとも言えません。
他方、相続は複数の相続人で財産を分ける機会であり、
民法も相続税も関連することがあります。
法律の問題で困ったら専門家に相談するとはいっても、
どんな問題の相談をするか解像度を上げることがおすすめです。
たとえば、直面している相続だけでなく「二次相続」まで
相談するのであれば税負担のシミュレーションが必要です。
あるいは相続人間での「争族」に至っている場合であれば、
弁護士への依頼の優先度が高まります。
相続開始以降に課題を明らかにすることもできますが、
相続放棄も相続税申告にも期限があります。
弁護士や税理士への相談や依頼は有効な選択だからこそ、
相続開始以前からの対策がおすすめとなります。
蛇足
アイキャッチ画像は事務所側で撮影しました。
猛暑続きだった2025年(令和7年)も秋らしくなってきました。
過ごしやすい秋ですが、冬が間近でもあります(笑)。
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