数字への意識が高いとは

ポジティブです。褒めことばです。

数字への意識が高い  ポジティブです

「意識が高い」というと、否定的な評価の言葉として定着しています。

意識が高いとは、反語的に低評価する表現です。
ことばの裏側には以下のような本音が待機しています。
・やるべきことをやっていない
・地道な努力を怠っている
・地に足がついていない
・現実を直視していない

その一方で、そうした意識の高さの背景には、現状を安易に肯定していない、成長を期待しているというポジティブな指向もあります。

足元を全く見ていないのは不安定ですが、環境や状況が変わっていくわけですから、現状維持を最上としているだけでは先行きがおぼつきません。

漠然とした意識が高いということばには否定的な意味合いがあります。

これに対して、今回取り上げる「数字への意識が高い」ということばには、税理士目線からはポジティブな見方になります。

数字への意識が高い 数字を意識するとは

税理士が接するお客様といえば一般には経営者です。

経営者には経営の持続・継続・発展・成長の責任があります。

そして経営には、お金が欠かせません。

2020年(令和2年)のコロナ禍で課題になったのは、経営を持続させるためのお金の都合をつけるということです。

融資も各種の給付金や助成金も経営の持続という一点に絞られます。

経営についてもあるお金は数字で表されます。

もちろんお金以外の数字もあります。

数字への意識の高さとは、経営に関わるお金やその他の数字を対象としています。

ポイントは、数字をいつ・何のために知りたいかというところです。

経営は毎日変化しています。

経営に関わる数字も日々変動していきます。

直感的な判断がダメというわけではないのですが、判断を支える数字を裏付けとして確認できるほうがいいに決まっています。

そうすると、数字への意識の高さとは経営の判断のために、迅速に数字の裏付けをとれることといえます。

数字への意識が高い コロナ禍ではっきりした攻めと守りで必要

いわゆるどんぶり経営やどんぶり勘定といった表現があります。
経営に関わる数字をまとめてある時点でのみまとめるというところです。

正確さや・即応性という点で、数字への意識が高いとは正反対といえます。

高度成長のようなファンタジーな状況でもない限り、 どんぶり経営にはマイナスのイメージです。

コロナ禍での持続化給付金の申請にあたって、書類の作成に手間取る方が多かったと言われています。

そうした方すべてに当てはまるわけではないのですが、数字への意識が高かったかどうかと問われれば、見直すべき点が多かったかもしれません。

数字への意識が高いことは、経営者にとっては攻めと守りの両面で必要だということがはっきりしました。

 

蛇足
反語的な表現での否定は、率直に批判ができない状況で多用されます。
(参考「オリガ・モリソヴナの反語法」米原万里、集英社文庫)

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