おしどり夫婦だから不動産を贈与する?、しない?
贈与だけ?、相続までの税額検討?

わかりにくい税金といっても一つの税法で一つの税目
といった建付けが定番です。

例外は贈与税と相続税。

一税法二税目での構成です。

好意のはずの贈与が想定外の結果になることもあります。

日本と海外で花ことばが正反対のムスカリ

おしどり贈与 夫婦間でも贈与税

税金は好かれてもいなければ、わかりやすいとも言えません。

とはいえ、商売をしていれば法人税や事業での所得税、
消費税の負担は想定できます。

親族間での財産のやりとりでは相続税が注目されます。

他方、忘れられがちな税金が贈与税です。

通常の生活費のやりとりならば税金とは関係ありませんが、
多額の金銭や財産のやりとりとなると話は別です。

夫婦間での不動産の贈与にも当てはまります。

おしどり贈与 見逃せない要件と申告

夫婦間といっても不動産の贈与をすると贈与税の対象になります。

贈与税の税率構造を確認すると気が重くなりそうです。

一方、夫婦間の居住用の不動産の贈与には税負担を軽減できる
配偶者控除の特例があります

基礎控除110万円の他に2,000万円までの控除となる特例です。

特例の利用ときたら要件の確認が必須です。

  • 婚姻期間が20年を過ぎた後の贈与
  • 贈与財産が居住用不動産
  • 贈与による不動産に翌年3月15日まで住んでおり、
    引き続き住む見込みがある
  • 配偶者控除の利用は生涯一度

上記の要件を満たしたうえでの「申告」が必要です

税負担の軽減は魅力ですが、必要な書類を備えて申告するからこそ
特例が利用できます。

おしどり贈与 見逃しがちな相続

夫婦間での居住用不動産の贈与にかかる配偶者控除の特例は
おしどり贈与」と通称されています。

夫婦間での円満な贈与に税金で水を差さない仕組みとなります。

他方、おしどり贈与が必ず税負担の軽減につながるとは言えません。

特例の利用で贈与税負担は回避できても、

  • 不動産取得税
  • 登録免許税

といった贈与に関連した税負担はかかってきます。

税務申告や登記に関連した料金の発生もあります。

贈与税は相続税の二つの税目は一つの税法でつながっています。

相続税には贈与税とは別の控除の仕組みがあります。

  • 基礎控除=3,000万円+(600万円✕法定相続人の数)
  • 配偶者の税額軽減

おしどり贈与による不動産の贈与も選択肢ではありますが、
相続対策を含めての検討がおすすめです

相続税の検討では居住用不動産だけでなく他の相続予定の財産、
配偶者以外の相続人も検討対象となるので留意が必要です。

 

蛇足
アイキャッチ画像は散歩中に撮影したムスカリです。
日本での花ことばが、「寛大な愛」・「通じ合う心」ですが、
海外では「失望」・「憂鬱」だそうです。
人類最古の埋葬花という一面もあります。

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