できる案件でも他の税理士を薦める理由とは?
贈与問題は争族問題になる!?

税務相談のお問い合わせがあるとソロバン勘定が働きます。

ソロバンの使い方はすっかり忘れましたが(笑)。

とはいえ、案件次第で失注やむなしと判断することも。

意図しない炎上案件を作らないことも結果的には
大切なソロバン勘定になります。

贈与は争族 面倒の深度の違い

税務会計の処理や手続きがカンタンという印象は少ないはずです。

残念ながら当たっています(笑)。

税務会計の処理や手続きは面倒でもあり、負担がともないます。

他方、そうした処理や手続きの面倒をどの程度にとらえるか
といった深度には違いがあります。

たとえば、贈与の問題。

贈与は争族 贈与と相続の連続性

贈与税は相続税の回避を防ぐという一面があるので、
高い税率が適用されやすい仕組みです。

ただし、生前の贈与を円滑に後押しするために、

  • 非課税枠
  • 相続時精算課税制度
  • 教育・結婚・住宅資金の特例

といった税負担の緩和策もあります。

たとえば、親と共有している土地の贈与。

親が共有している持分を贈与してもらうことができます。

登記の手続きや贈与税申告が面倒ではありますが、
司法書士・税理士への依頼でサクッと片付けられます。

とはいえ、必ずしも贈与の問題がサクッと片付けられる
といった早合点は禁物です。

上記の贈与の場合、親と子のみで完結するとは言えません。

子の兄弟姉妹や親の配偶者の利害も関連します。

登記の手続きも贈与税の税負担対策も無事に済んだ場合でも、
相続開始以降に「争族」に至る危険性があります。

贈与は争族 優先順位を勘定しておく

税理士業でご依頼をいただいた際にはお客様の利益が優先です。

贈与税の申告が必要であれば、税負担を最少にする選択を検討します。

他方、相続開始以降の相続人が贈与の相談者以外に見込まれる場合、
贈与税の検討を最優先するとはいえません。

残念ですが、他の税理士を薦めることもお伝えします。

贈与は相続と相続人の間で連続性をもって検討する必要があります。

うっかりではあっても、相続時精算課税制度を先走って選択すると、
かえって相続開始以降の「争族」問題につながりかねません。

贈与問題を私に相談された方へは、

  • 贈与と相続の連続性を検討していただき、
  • 贈与と相続を含めて同じ税理士に依頼する

といったことをおすすめします。

結果的には失注かもしれません(笑)。

とはいえ、税理士への相談で争族問題が発生した
ということにならないことが最優先の選択です。

 

蛇足
アイキャッチ画像は実家の近所で撮影しました。
菜園をガードするために設置された電気柵です。
害獣の多い山間地域では珍しくない装置ですが、
見慣れないとドキッとしますね。

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