住民税なのに国税徴収法が適用される!?
あのセリフを聞かないための対策とは?
マイナーなはずの法律がドラマの定番のセリフで登場しています。
あれっ?と違和感を感じるかもしれません。
まさかのときの予備知識です。
住民税で国税? お仕事ドラマの決めゼリフ
テレビドラマのジャンルの定番に「お仕事」があります。
特定の仕事現場が舞台で、警察や学校・病院が定番です。
税金に関連では映画の「マルサの女」が代表です。
2023年(令和5年)10月から「ゼイチョー(日本テレビ)」が放送されています。
市役所の「徴税吏員」にスポットが当たっています。
ドラマのなかで徴税吏員から税金の滞納者に対して、
- 「国税徴収法第142条に基づく…」
といった定番のセリフがあります。
ちょっと違和感や疑問を感じるかもしれません。
- 住民税の滞納に対して「国税徴収法」?
- 第142条って何?
- 住民税だけが狙い撃ちされるのか?
住民税で国税? 準用の守備範囲
まず、国税徴収法を確認します。
法律の名称からわかる通りの法律です(笑)。
第142条だけをとりあげるより位置づけを確認するとわかりやすくなります。
第142条は国税徴収法第5章「滞納処分」の中の「財産調査」に含まれています。
第142条の内容は下記の通りの「捜索の権限及び方法」です。
条文をみながらドラマの場面を思い出してみるとイメージしやすいはずです。
国税徴収法はとくに申告納税である所得税・法人税・消費税・相続税では
納税の義務との対応上切り離せない法律とも言えます。
さらに国税徴収法は「国税」だけが守備範囲ではありません。
「準用」されることで地方税や国民健康保険にも影響が及びます。
国税徴収法は国税の徴収に携わっている税務署だけでなく、
準用されることで地方自治体でも扱われています。
税金の滞納による財産の調査や差し押さえは別世界の話のようで、
意外にも身近な生活とつながっています。
住民税で国税? 入口対策としての確定申告
ドラマ「ゼイチョー」では地方税の滞納に焦点が当てられています。
一方で、現実には地方税(住民税)だけを滞納とは限りません。
むしろ、国税や国民健康保険を含めてのトラブルが想定されます。
事業経営をしていれば、決算・申告は一連の手続きです。
さらにことばを補うと、
- 税金は申告と「納税」がセット
- 所得税は住民税・国民健康保険と関連
と留意点があります。
「徴税吏員」と対面後の事後的な対応も必要ではありますが、
- 確定申告以前からの申告・納税準備を進める
といった選択がおすすめです。
「国税徴収法第142条に基づく…」のセリフを聞く機会はドラマだけで充分です(笑)。
蛇足
アイキャッチ画像は浦田甘陽堂(金沢市)の「こい茶」です。
抹茶クリームがサンドされています。
包装の「こい茶」が読みにくいところが難点です(笑)。
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