法定実効税率 仕組みから導出する

一回くらいは確認しましょうか。

シンプルか複雑化?

法定実効税率 法人税等とは

所得税は、所得税法に決められた所得税率で計算されます。

これに対して、法人の所得に課される税金は「法人税等」となんだかはっきりしない「等」が付きます。
「等」の正体は、法人住民税と法人事業税です。
(さらに詳細な区別はありますが、今回はスルー)

つまり、法人税等は法人税・法人住民税・法人事業税が合わさったものを表現しています。

それならば、法人税等の税率は3つの税率を合計すればよいかといえば、残念ながら以下のようになります。

面倒な式です。

法人税は、利益に対して課税されます。
法人税額は経費になりません(所得税と同じです)。

住民税は、法人税に対して課税されます。
法人税と同様に経費にはなりません。

事業税は、法人税と同じように利益に対して課税されます。
事業税が法人税や住民税と異なるのは、経費になるということです。
そして、事業税が経費になるのは実際に支払った期間、一般には次の期間ということです。

法定実効税率 式の展開

まず以下の例で法人税等の内容を把握します。

単純な法人税等の税率は、法人税率0.2+住民税率0.03(=0.2×0.15)+事業税率0.1で0.33(33%)です。

これに対して、上図での法定実効税率は0.3(30%)になっています。

より抽象的な視点から確認していきます。
税引前当期純利益をP、法人税率をH、住民税率をJ、事業税率をG、法人税等をSとします。
(これ以降は観賞用として眺めてください)

Ⅰ期
S=P₁H+P₁HJ+P₁G → P

Ⅱ期
S=(P₂-P₁G)H+(P₂-P₁G)HJ+(P₂-P₁G)G → P(1-G)

Ⅲ期
S=(P₃-(P₂-P₁G)G)H+(P₃-(P₂-P₁G)G)HJ+(P₃-(P₂-P₁G)G)G → P(1-G+G²)

Ⅳ期
S=(P₄-{(P₃-(P₂-P₁G)G)G})H+(P₄-{(P₃-(P₂-P₁G)G)G})HJ+(P₄-{(P₃-(P₂-P₁G)G)G})G → P(1-G+G²-G³)

上の式でゴシック体(→右)をXとすると、
S=PXH+PXHJ+PXG
S=PX(H+HJ+G)
S/P=X(H+HJ+G)・・・①

Xは、1、-G、G²、-G³という、初項1・公比-Gの等比数列の和なので、
X=1/1+G・・・②

①②より法定実効税率が導出できた。

事業税が納付した期に経費になることと、式の展開上等比数列が出現することがわかりにくさの根源というわけです。

法定実効税率 実務と受験では

算出するのも覚えておくのも面倒な法定実効税率の式ですが、実務や受験での取り扱いはシンプルです。

実務上はとりあえず30%の税率で概算を把握、受験なら問題文の指示に従うというわけです。

決算申告上では、法定実効税率ではなく法律で決められた税率が適用されます。

法定実効税率の算出や導出は、不可欠の処理ではありません。

ただし、情報を天下りで受け取らないためのトレーニングにはなります。

 

蛇足
記事はシンプルですが、下書きのメモはムタムタ(方言)です(笑)。

 

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