収入や所得、資産の違いとは? どこをみればわかるか?
景気の良いことばが並ぶと期待しますが、
おいしい話かどうか判断できますか?
収入・所得・資産 違いってあるの? どこをみる?
政府の景気対策はいつでも関心事です。
とくに選挙が近づくと熱を帯びてきます。
(2022年令和4年7月は参議院選挙があります)
- 収入増加
- 所得倍増
- 資産倍増
ちょっと暑苦しさを感じますが(笑)、景気の良い話はプラスイメージです。
「低成長」や「悪化」、「停滞」に比べれば、ずっとマシです。
その一方で、使われていることばの意味がわからないのでは
パッとしません。
ことばの意味を理解して、これからの動向を知っておきたいところです。
まず、ちょっと抽象的に区別します。
- 収入と所得:一年間のフロー
- 資産:一時点のストック
これだけをみると、瞬時に寝落ちしてしまいます(笑)。
具体例がわかるのは所得税の確定申告書です。
第1表の左上をみれば、収入と所得の違いがわかります。
事業所得を例にすれば、
- 収入(売上) - 経費 = 所得
と違いがわかりやすいはずです。
勤務されている方であれば源泉徴収票で、
- 支払金額(収入)
- 給与所得控除後の金額(所得)
といった違いで理解できます。
ざっくり図示すると以下の通りです。
資産は日常的にもよく使うことばです。
事業活動をしている場合、貸借対照表で確認できます。
青色申告でも下記の様式で貸借対照表を作成します。
ただし、上記でとらえられる資産は事業活動限定です。
個人の資産全体は負債をセットにした「財産目録」を作成しないと
全貌がつかみきれません。
財産目録で対象となる資産では、
- 現金・預貯金
- 有価証券
- 生命保険
- 不動産(土地・建物)
- 自動車など
収入や所得に比べてパッと把握しきれないかもしれません。
収入・所得・資産 つなぎ目は?
収入と所得のつながりはわかりやすいと思います。
話を簡単にするために「収入・所得」とひとまとめにします。
わかりにくいのは、「収入・所得」と「資産」のつながりです。
事業活動を例にしてみると、「収入・所得」と「資産」の両者は、
- お金(資産)を使って設備(資産)を購入
- 設備(資産)を使って収入を上げる
- 収入の増加が所得の増加となる
といったつながりで理解できます。
「収入・所得」と「資産」のつなぎ目は、
- 投資(上記の例では設備の購入)
ということがわかります。
収入・所得・資産 魅力とリスク
上記の「収入・所得」と「資産」のつながりの例をみると、
話がうますぎる印象があるかもしれません。
- 資産の投資 → 収入・所得の増加!?
投資にはプラスの見返りも期待できますが、
マイナスの損失の可能性もあります。
リスクや不確実性を念頭におくと、
- 資産の投資 → 収入・所得±?
といった可能性を検討することになります。
また、投資の成果は1年ごとの収入・所得だけでなく、
長期的な視点で検討することになります。
収入・所得、資産の違いを理解しておくことで、
短期と長期のお金の管理の区別がつきやすくなります。
蛇足
どんなことばを使っていても景気が良くなればいんじゃない
という考え方もあります。
とはいえ、見返りだけでなく責任や負担の引き受け手も
自分であることを棚に上げるわけにはいきません。
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