クラウドファンディングでも青色申告!
貸借対照表もお見逃しなく!
パッと見は目新しい仕組みのクラウドファンディングですが、
既存の仕組みとしっかり結びつきます。
個人事業主であればはずせない定石ともつながります。
クラファン青色 災害からの復興へ
2024年(令和6年)1月1日「令和6年能登半島地震」が発生しました。
家屋やインフラの被害が甚大で復旧には長期間を要します。
政府による公的な復旧活動が続いています。
また、政府の支援による事業者への融資や補助金の整備も
復旧復興に向けて始まっています。
一方、上記とは別に事業者による復興への資金調達も始まっています。
「クラウドファンディング」の利用が目立ちます。
「クラウドファンディング(crowd funding)」とは、
- 不特定多数の方(crowd)から
- インターネットでの告知を通じて
- 特定の企画や組織に対して
- 資金調達を行う
といった仕組みです。
「インターネットを通じて」ではありますが、「cloud」ではありません。
「クラウドファンディング 能登半島地震」でウェブを検索すると、
各種の企画・プロジェクトが確認できます。
クラファン青色 調達スタイルと税務会計の処理
クラウドファンディングは融資や補助金とは異なる資金調達とはいえ、
お金をめぐる処理があることに変わりありません。
個人であれ、法人であれ、お金の入出金があると、
税務会計の問題に行き当たります。
クラウドファンディングでは、資金調達を3つに類型化できます。
- 購入型
- 寄付型
- 投資型
以下では個人の企画・プロジェクトによる税務会計の処理となります。
購入型はモノやサービスの提供がセットとなります。
たとえば、下記の場合は購入型となります。
購入型での資金調達は売上になりますが、入金と提供時期が異なります。
- 入金時 (借方)預金 (貸方)前受金
- 提供時 (借方)前受金 (貸方)売上
個人事業であれば購入型による売上は事業所得(所得税)となります。
また、以下の例では寄付となります。
購入型とは異なり寄付型は売上高・事業所得とはなりません。
他方、寄付型であっても税金は無視できません。
- 個人からの寄付 贈与税の対象
- 法人からの寄付 一時所得(所得税)の対象
寄付型は売上・事業所得とはなりませんが、事業用の口座を使う場合、
- 入金時 (借方)預金 (貸方)事業主借
と損益計算と区別しておく必要があります。
クラファン青色 貸借対照表も作成する!
クラウドファンディングは企画・プロジェクトの起案者による
柔軟な資金調達が魅力です。
資金調達にとどまらない効果も期待できます。
反面、資金調達後の税務会計上の処理が未整理となっていると、
企画・プロジェクトの足を引っ張ります。
クラウドファンディングだから特別な処理が必要というよりも、
経営管理の一環として適正な税務会計が必要と言えます。
個人事業主でのクラウドファンディングによる資金調達は、
類型にかかわらず貸借対照表科目とも関連します。
個人事業主で損益計算書だけでなく貸借対照表も作成するのは
青色申告を選択している場合です。
青色申告は通常の事業取引に対しての特典だけでなく、
クラウドファンディングの遂行にもプラスの効果があります。
蛇足
アイキャッチ画像は恵方巻きです。
15種類の具材が巻かれているそうです。
口の中が大量の具材で大渋滞でした(笑)。
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