法人税の計算がややこしい理由とは?
個人事業との違いと共通の計算の仕組み
所得税でも法人税でもややこしいでしょ?
と言われればそれまでです(笑)。
個人と法人の税金の計算の違いを知っておくことで、
かえって共通点もみえてきます。
個人も法人も経営の選択肢として知っておく必要があります。
法人が難しい 所得の税で共通?
カンタンに計算や申告できる税目があるか?というと、
「無し」とストレートに回答しています。
所得税・法人税・消費税・相続贈与税と違いはあっても、
カンタンな取り扱いが可能とは言えない点は共通です。
どの税目にもそれぞれやっかいな面が多々あります。
他方、所得税と法人税では「所得」と「事業」で共通する
という一面があります。
個人事業での所得税と会社などへの法人税は、
事業による所得税の課税では共通しています。
反面、法人税の取り扱いが所得税よりややこしい
という見方が一般的です。
法人が難しい はみ出し分を調整
事業による所得への計算では、
- 収益-費用=利益≒所得
- 所得✕税率=所得にかかる税金
とザックリ表すことができます。
上記の式では、「利益≒所得」がとくにザックリしています。
所得税と法人税では「≒(ほとんど等しい)」で違いがあります。
所得税に比べて、法人税では利益と所得の隔たりが際立つ
といった仕組みになっています。
法人税の計算では、
- 収益は「益金」、費用は「損金」とされて、
- ズレている部分は「調整」の対象
と所得税よりもガチっとした仕組みがあります。
たとえば、交際費。
会社の支払いで交際費として「費用」計上しておけば
いくらでも「損金」になるわけではありません。
損金に計上できない部分は「損金不算入」となり、
所得にプラスされます。
所得にプラスとなると、税負担額はその分増加します。
支出→費用→所得マイナスといった想定があると、
裏切られた思いに駆られます(笑)。
交際費だけでなく、経営者の役員給与、固定資産の減価償却等々、
調整対象は多岐にわたります。
オーナー経営者といえども、会社は法人税のルールで、
個人の所得は所得税での扱いとなります。
法人が難しい 共通点は同じ!
事業経営では、個人事業も法人での経営も選択肢です。
事業の規模や業種、経営方針、将来の計画を折り込んで、
経営者が選択することになります。
いずれにせよ、税務申告が必要になる点は共通です。
事業の税務申告では、会計処理→税務申告処理の展開で、
個人事業も法人の経営でも共通しています。
法人税の申告は所得税に比べてややこしいとはいえ、
だからといって所得税の申告がカンタンとはいえません。
申告以前の会計処理に不安を抱えていれば、
税務申告にもマイナスの影響があります。
事業経営では、個人や法人での違いの理解も大切ですが、
税務申告に不安を抱えない会計処理も重要になります。
個人事業でも、小規模の法人でも会計処理の不安は
早めの解消がおすすめです。
蛇足
アイキャッチ画像はスーパーのラ・ムーで購入した
「どでかメンチカツバーガー」です。
はみ出た部分の調整をものともしないサイズです(笑)。
消費税込で158円でした。
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