入力と理解・利用の溝を埋めておく!
わかっているのはどこまでか?
自身をもって仕事に取り組むことは賛成です。
とはいえ、手放し・野放しというわけにもいきません。
誤解が大きな溝にならないうちに埋めておけば
無用な事故は防げるはずです。
入力の溝 わかってますよ!
事業経営のご相談、中長期での関与を前提にしている場合、
経理処理の状況を確認することが定石です。
誰が・どのように経理処理を担っているかを確認しておくことで、
関与開始以降の仕事の進め方を調整することになります。
長年に渡って経理業務に従事してきた方もいれば、
経験の浅い方まで経験には違いがあります。
経験以外の違いでは、税務会計の知識や理解だけでなく、
自信にも違いがあったりします。
いまいち自信がないという方は少なくありません。
他方、自信のある方もいらっしゃいます。
活躍に期待したいところですが、税理士の想定と溝がある
という場合もあります。
入力の溝 理解と利用の溝
事業経営の会計処理の場合、「複式簿記」での処理が一般的です。
会計ソフトを利用すれば、入力・集計・転記での負担は小さくできます。
日々の入出金での簿記の「仕訳」は大半が定型的なため、
不安は少ないはずです。
とはいえ、入出金のデータを会計ソフトに入力できることが
会計の仕組みや役割を理解しているとは言えません。
うっかりすると、ズレや誤解の放置状態につながります。
たとえば、「月次(げつじ)決算」。
お金の入出金だけでは経営成績も納税予測には応えられません。
お金の動きだけでなく、発生主義・実現主義での処理も必要です。
貸借科目の残高、損益科目の推移、消費税の処理の確認、
さらに過年度との比較、当期の資金繰り・納税予測が続きます。
金額の大小だけが問題とは言えません。
売掛金の滞留、役員貸付金の放置、源泉所得税の納付漏れなどは
自然に解消しません。
月次決算で問題を発見して解消していくことも業務の一環です。
入力の溝 積極的に溝を埋める!
事業規模や従業員・スタッフの都合により、経理の役割には
違いが出てきます。
役割次第では入出金を中心とした会計データの入力のみで済む
という場合もあります。
他方、経営者や税理士とのやりとり次第では、それ以上の期待がかかる
ということもあります。
税務会計の知識や理解だけでなく、期待する業務水準でも
溝ができていることがあります。
なにかしらのズレや違和感をもったときには確認が必要です。
溝を埋めていくことで無用なトラブルが避けられます。
蛇足
アイキャッチ画像は近所で撮影した「ツユクサ」です。
秋も半ばになると花がどんどん減っていきます。
小さい花ですが、ツユクサの青い花はかえって目立つ時期ですね。
<ご案内>
■林友範税理士事務所
■災害と税金の情報